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▼1998年のブロードキャスト
9月 10月 11月 12月


▼1998年9月25日

■Illustrator8.0J発表
 アドビシステムズのページで、Illustrator8.0Jの仕様が公開されています。11月の末の発売だそうです。今回は7.0Jのように、世界一斉発売ということはないようですね。できれば、アメリカでバグ取りをして貰ってから、日本語版をリリースしてもらうと、私は嬉しい。それほど時間差があるようではなさそうだけど。
 以前はローカライズのタイムラグに、憤りを感じる向きもあっただろうけど、今となっては、タイムラグがあっても、バグは少ないほうがいいよなあ。
 さすがに7.0Jが不評だったので、今回は問題のように配慮していることを願いたいものです。問題が多少あっても、事前にそれをつかんでいて、そのことを発表しているのと、後でユーザーに指摘されて直すのとでは、印象が全く違いますから、仕様上でできないものはできないとアナウンスして貰いたいものです。
 追加された機能については、まだよくわからん...。日本語PDFファイルの解析については、取りあえず制限事項がないところをみると、多分できるでしょう。またPhotoshop5.0形式で書き出すと、レイヤーをそのまま移行できるそうだが、この場合、解像度が違っている画像などはどのようになるのでしょうか。やっぱりこのままいったらCEPSだよなあ。興味津々ですなぁ。
 主な紹介記事と関連記事は下記のとおり。
 
◆Webページ
◎アドビシステムズ
Illustrator8.0J
http://www.adobe.co.jp/product/illustrator/index.html

◆紹介記事
◎ASCII24 1998/09/22
アドビシステムズ、『Illustrator 8.0 日本語版』を発売
http://www.ascii.co.jp/ascii24/issue/980922/soft01.html

◎MacWEEK Online 1998/09/22
アドビ,Illustrator 8.0日本語版を発表 他ツールとの連携を強化
http://www.zdnet.co.jp/macweek/9809/22/n_illustrator.html

◎MacWEEK Online 1998/09/08
多数の機能を期待通りに改良 Adobe Illustrator 8.0ベータ版レビュー
http://www.zdnet.co.jp/macweek/9809/08/r_illustrator.html

◎MacWEEK Online 1998/08/26
Illustrator 8が今秋デビュー アクションパレット,リンクパレットなど搭載
http://www.zdnet.co.jp/macweek/9808/26/n_illustrator.html

◎CNET 1998/08/25
アドビ、Illustratorをアップデート
http://cnet.sphere.ne.jp/News/1998/Item/980825-5.html

◎MacWEEK Online 1998/06/26
Adobeの“Elvis”が来年第4四半期に登場へ Illustrator 8.0の新機能
http://www.zdnet.co.jp/macweek/9806/26/n_ai8.html

◎DTP-S 連載コラム 1998/9/21
WindowsDTPに引導を渡すAcrobatDTP
http://www.bekkoame.or.jp/~jin-k/column/98-09/09-21.html



■Illustrator8.0Jに透明効果を与えるプラグイン
 Illustrator8.0J用に、オブジェクトを透明にできるレンズ化することで、オブジェクトを透明にすることができるらしい「Transparency 1.0」というプラグインが発売されるという。アメリカでは同時発売で、今月でるらしいが、日本語版はあるのだろうか。これがあると、FreeHandと同じように背面のオブジェクトを透過させることができるのが、はてしてそれ以上なのか、よくわからんですね。
 ま、役に立つものだったから、いずれ日本語化されるでしょう。

◆紹介記事
◎MacWEEK Online 1998/09/22
Illustrator 8のリリースに続いてプラグインが登場
http://www.zdnet.co.jp/macweek/9809/14/s_plugin.html



■JAVAアプレットを利用してOSに依存しないフォントの開発
 コンピュータのOSに依存しないで、多国語をブラウザーで表示するための研究が行われているそうです。要するに、ブラウジングに必要とするフォントのグリフデータを、OSから得るのではなく、JAVAアプレットとして同時に送ってしまえば、プラットフォームやシステム環境に左右されずに、いつでもどこでもどのような言語でも、表示できるということのようです。JAVAの使い方としては、そういうのはアリでしょうね。ま、フォントではなくフォントフォーマットの話ですけど。
 もう少し通信事情がよくなったら、可能性はあるかも知れませんね。少なくとも、ブラウザー上での文字コードのうるさい問題は解決しますからね。

◆紹介記事
◎ASCII24 1998/9/11
「もうフォントなんていらない!?」杉本重雄助教授、多言語利用システムについて語る
http://www.ascii.co.jp/ascii24/issue/980914/topic01.html


■Window用Adobe純正プリンタドライバにはAdobePS 4.2.3もあった
 Windows用の純正ドライバには、AdobePS 4.2.3というのもあるそうです。日本のアドビシステムズのページではダウンロードできせんが、米Adobe社のページにはAdobePS 4.2.3Jもあるようです。
 どこが違うのかはわかりませんが、本国ではAdobePS 4.2.4Jも一ヵ月前(1998/08/13日)にアップされていたそうです。happymanさん、どうもありがとうございました。最新のプリントドライバ の入手は、アメリカの方が早いみたいですね。

◆Webページ
◎Adobe Systems
Printer Drivers for Windows downloadable files
http://www.adobe.com/supportservice/custsupport/LIBRARY/pdrvwin.htm




▼1998年9月16日
■Adobeの第3四半期の決算
 悪い悪いと言われて、蓋をあけてみるとやはりよくなかったAdobeの第3四半期の決算。なんとか赤字にならないように調整したようですね。それでも、リストラの費用を含めてだから、それほどひどい状態というわけではないようです。たぶん、このまま拡大すると冗費が増えそうなので、引き締めたというところでしょうかねぇ。
 一部ではAdobeがMacintosh市場から手を引くという噂もあるらしく、陰謀くさい流言だろう。本当にWindowsで利益がバンバンでるようになったとしても、利益がでているうちは手を引くことはないに決まってます。
 それより昨年増えたWindowsユーザーが、新しいバージョンを律儀に行ってくれるのかしらん。そのほうが心配だと思う。Macintoshユーザーはなんだかんだ言っても、バージョンアップについてきたけど、今のバージョンはほぼ完成されているので、Windowsユーザーが新しいバージョンに飛び付くかというと、結構怪しい気がします。たぶん古株のMacintoshユーザーを大事にするほうが、儲けはでると私は思いますけどね。
 もっとも日本市場での低迷は、あたっていると思いますが、やっぱりね、オープンなDTP環境を作っていくことが、需要を喚起する道だと私は思います。そろそろ本気になるかな、Adobeさん。

◆紹介記事
〇MacWEEK Online 1998/09/14
米Adobeが第3四半期の厳しい結果を報告
http://www.zdnet.co.jp/macweek/9809/14/n_adobe.html
◆関連記事
〇CNET 1998/9/12
アドビ、アップルのサポート中止の報道を否定
http://cnet.sphere.ne.jp/News/1998/Item/980912-6.htm



■アメリカでも不信感のあるQuarkXPress4.0
 QuarkXPress4.0Jへの不信感は日本だけのことではなく、アメリカでも大きかったらしい。アメリカの出力センターの多くでも、QuarkXPress4.0ファイルの持ち込みを拒否しているようです。去年のIllustrator7.0Jとおなじようなことが起こっているようです。
 さすがに態度がデカイと囁かれるQuarkも、4.0の不評には危機感を持ったようで。ユーザーの声に耳を傾けようとしているようですね。頼みの綱の4.0が使ってもらえなければ、Adobeの買収なんて、夢のまた夢ですもんね。結局それもあきらめたよう。
 いまのところアメリカ版でも、バグが残っているらしく、そうなると当然日本語版にも....。
 聞くところによると、アメリカ版のQuarkXPressにはドングルはついていないとか。他のDTPソフトと同じように、ネットワークプロテクトだけらしいですね。
 本社の態度が変わると、日本法人の姿勢も変わってくるでしょうから、それあたりに期待したいものです。QuarkXPress4.0Jも売れたのは最初だけで、その後が続かないそうで、QuarkジャパンのWebページを見ていると、今までのやり方では駄目だという意識があるのが感じ取れます。その意識をどこまで行動に移せるのかが、これからの課題でしょうなぁ。できればドングルを外して、販売して欲しいもんです。

◆紹介記事
〇MacWEEK Online 1998/09/14
Quarkが自らの改革をユーザーに約束
http://www.zdnet.co.jp/macweek/9809/14/n_quark.html
◆関連記事
〇日経MAC 1998/9/16
Quark,現時点でのAdobe買収を断念
http://www.nikkeimac.com/hotnews/9809/quarkadobe.hts
◆関連記事
〇ZDnet 1998/9/14
QuarkがAdobe買収提案を取り下げ
http://www.zdnet.co.jp/news/9809/15/b_0914_03.html



■JPCのセミナー開催、やっぱりオンライン・パブリッシングは儲からない?
 JPCのセミナーがあったようです。オンライン・パブリッシングでは「広告収入だけで運営するのは苦しい現状」という最後の記事だけが頭に入りました。やっぱり情報に対してお金を集めることができないと、成り立たないという気がさらに強くなりました。
 オンライン・パブリッシングのビジネスは、まだまだこれからですね。もう少し時間がかかるかも。まあ電子マネーの類で、小さな金額で課金する仕組みが必要だと思われていますが、そこに至らなくても、課金の仕組みを工夫することで、いろんな方法はあると思います。

◆紹介記事
〇ASCII24 1998/9/11
JPC、“オンライン・パブリッシングの実例”など、定例セミナーを開催
http://www.ascii.co.jp/ascii24/issue/980911/topic10.html



■Window用Adobe純正プリンタドライババージョンアップ
 Windows95/98で使用できるAdobe純正プリンタドライバが、AdobePS 4.1.1JからAdobePS 4.2.4Jにバージョンアップしました。AdobePS 4.2.4JはPostScript3に対応したドライバです。ただファイル名が同じなのでAdobePS 4.1.1JとAdobePS 4.2.4Jは混在できず、しかもPostScript Level1が対象から外されています。多分Level1の書き出しはできないということでしょう。もっと簡単に言うと、Level1プリンタでは使えないと言うことです。
 MacintoshではLevel2対応のプリンタドライバはPSPrinter8.3.2Jで、Level3対応はAdobePS8.5.2Jです。こちらの方はLevel1未対応ということはありませんが、現在AdobeのページからダウンロードできるAdobePS8.5.2Jは、仮想プリンタ機能は組み込まれておらず、これはいずれ機能拡張されるされるようです。もちろんMacintoshでは、ドライバ名が違うので、この二つのドライバは混在できます。

◆入手先
アドビシステムズ
AdobePS(TM)4.2.4J プリンタドライバ
http://www.adobe.co.jp/product/postscript/outline_424.html



▼1998年9月11日
■低価格のデータ自動取り込みソフト「組版ROBO 3」
 フラッシュバックからIllustrator対応のプラグインが発売されます。
 一つは「バーコードROBO 3 (バーコードロボスリー) 」で、もう一つは「組版ROBO 3 (くみはんロボスリー) 」です。バーコードの生成は珍しくなく、以前からフラッシュバックから発売されていたFilteriTでも可能でした。「組版ROBO 3 」はいままで100万円から200万円もしていた、データベース連動の自動テキスト流し込み、画像貼り込みを行う機能を、たったの28,000円で提供するもので、チラシのようなたくさんのオブジェクトを流し込み必要がある場合に有効です。もちろん高価格のソフトとの違いがあるかも知れませんが、手頃な価格であり、毎日のようにチラシのレイアウトがなくとも、そこそこ頻繁にある様な場合は、こういうプラグインを使うと便利です。FilteriTにあった[レイアウト]プラグインの進化したものですが、価格が手頃なのが嬉しいですね。「バーコードROBO 3」は「組版ROBO 3 」と連動して使えるそうです。
 Illustrator7.0J用なので、パレットは、7.0Jと共通したものになっています。

◆Webページ
〇フラッシュバック
組版ROBO 3/バーコードROBO 3
http://www.flashbackj.com/ROBO/index.html
◆紹介記事
〇MacWEEK Online 1998/09/09
フラッシュバック,Illustrator対応バーコード作成プラグインなど発売 http://www.zdnet.co.jp/macweek/9809/09/s_flashback.html



■プロフェッショナルXTension「Designer's Tools PRO Vol.1」
 恒陽社からQuarkXPressのXTensionが発売されます。杉山久仁彦氏企画デザインのXTension集で、デザイナーがQuarkXPressを使いやすくするために開発されたものです。1997年2月にSTEP-BY-STEP誌の通信販売で販売された「Designer's Tools」を強化したもののようです。
 このXTensionには、デザイナー向きのツールだけでなく、EPS書き出しを強化した「EPSカッタ」のようなツールも含まれています。「EPSカッタ」は QuarkXPressの「EPSファイルでページ保存」コマンドを拡張したツールで、選択オブジェクトの書き出し、複数ページの一括書き出しに対応しています。出力でEPSファイルを使いこなしているような人にとっては、この「EPSカッタ」だけでも購入する価値があるかも知れません。EPSで書き出すと、Illustrator7.0Jで開いて加工できるので、こういう機能の拡張は嬉しいものです。
 それ以外にも、貼り込み画像を一括してビューワーできる「クイック・ライブラリ」や、フォントメニューをカスタマイズして必要なフォントだけを表示させる「フォント・リスト」といった、作業効率を上げるためのXTensionがあるようです。

◆Webページ
〇恒陽社
Designer's Tools PRO Vol.1」
http://www2.koyosha.co.jp/news/redirect.tmpl?number=1
◆紹介記事
〇MacWEEK Online 1998/09/10
恒陽社,QuarkXPress用XTension「Designer's Tools PRO Vol.1」発売 http://www.zdnet.co.jp/macweek/9809/10/s_koyosya.html



■自動ルビ振りXTension「ルビフリー」
 QuarkXPressでルビを自動で行うXTension。たぶん小学校の教科書のように総ルビを打たないといけないような印刷物には、欲しい機能なのでしょうね。値段の550,000円もさすがですが、「Power Macintosh G3 DT266使用時で平均5,000文字あたり約3秒前後で、ルビ振りの精度は約95〜100%」というスペックを見ると、そういう価格帯のものなのかもしれません。
 QuarkXPress3.3Jは原則的にグループルビになっていますが、モノルビとかグルーブルビの使い分け、中付きと肩付きの使いわけできるのでしょうか。MacWEEK Onlineの記事だけではそこまではわかりません。発売元のアスクのページにも現在のところ、「ルビフリー」のページはないようです。

◆Webページ
〇アスク
http://www.ask-digital.co.jp/
◆紹介記事
〇MacWEEK Online 1998/09/10
アスク,文章に自動でルビ振りを行うXTension「ルビフリー」発売 http://www.zdnet.co.jp/macweek/9809/10/s_rubi.html



▼1998年9月10日
■Autostart HunterがJ-1.1にバージョンアップ
 いまだに汚染が拡がるAutostartワームですが、そのワクチンソフト、Autostart HunterがJ-1.1にバージョンアップしました。バージョンアップの内容は、プレファランスがついて、定期的にAutostartをサーチできるようになり、バックグラウンドで動作します。見つからないときに現れる報告ダイアログボックスも、表示時間を調整したり、表示なしにできます。
 またいままでリモートサーバーやMOで発見されたAutostartが可視になってもゴミ箱に移動できないことがあったのを改善したそうです。マニュアルも付属しています。

◆入手先
ユコスワールド Autostart Hunter J-1.1



■PageMaker 6.52から6.53Jへのアップデート

 PageMakerが6.52Jから6.53Jにバージョンアップしました。
 アナウンスされている一番大きな機能のアップは、PDFの書き出しの機能追加です。いままでは印刷用のデータのための画像の圧縮をしないようにするには、Distillerのような設定が必要だったのですが、6.53Jでは、PageMakerの[Acrobat PDF...]の[PDF設定]で[プリント]を選択すると、画像を圧縮およびリサンプルしないPDFが簡単にできます。この場合は画像は全く圧縮しない状態でPDFが作られるようです(下図参照)。

 合成フォントの作成が使いやすくなりました。いままで一旦PageMakerを終了しないと新しい合成フォントが認識できなかったのが、再起動しなくても、合成フォントがフォントメニューに反映されるようになりました。こうでなくっちゃね。私としては、PDF作成ダイヤログの改訂よりも、こちらの方が便利になった改訂ポイントだと思います。
 そのほかいくつかの不具合が改善されています。
◆入手先
Adobe Systems PageMaker 6.52から6.53Jへのアップデータ



▼1998年9月8日
■QuarkXPressとの互換性を目指すK2
 MacWEEK OnlineによるとK2は、QuarkXPressのような拡張性を備え、なおかつIllustratorのような操作性を目指すようです。
 もちろんQuarkキラーを目的とする以上、QuarkXPressからの移行を考慮し、それを促進させることを考えているようです。QuarkXPressファイルの読み込みが可能になり、QuarkXPressのXTensionも使えるようにするようですね。
 しかしそれだけでは、QuarkXPressからの移行は難しいように私は思いますね。日本ではドローソフトはIllustratorばかりで、機能面からいうと優れているといわれているFreeHandは、Illustratorのファイルを読み込み、Illustratorのプラグインが使えるにも関わらず、それほど普及していかないという現実があります。機能だけではユーザーは考え方を変える力ないように思います。
 PageMakerのQuarkXPressのファイルを読み込むプラグインにしても、それがあったからといって、乗り換え組が増えるということはほとんど聞きません。とくに日本語では、「完全」にコンバートすることは難しいので、そこそこしかできないとしたら、それでユーザーが積極的に乗り換えると考えるのはちょっと無理がありそうかな。
 機能を強化することも大事ですが、それよりも日本ではQuarkXPressの高価格戦略に付け込む方法を考えるほうが、より現実的だと思うけどね。
 機能面で言えば、やっぱりIllustratorファイルの解析読み込み、これが是非欲しいと思います。それがあれば、QuarkXPressなんて目じゃない、と私は思っています。

◆関連記事
MacWEEK Online 1998/09/07 AdobeがK2でQuarkに逆襲



■PDFは校正の代わりになるか
 Exchangerを使うとき、メモをつけることができるレイヤーを付加するプラグイン。一部でPDFで校正を行う方法が行われていて、それに対応したプラグイン。
 PDFでの校正は、徐々に増えているけど、クライアントがPDFを使いこなさないといけないので、なかなか普及は進みそうもないように思います。とくに色目のシビアなものは当分色校正が必要だろうし、PDFを扱えないようなクライアントにはまだまだむり。色目がうるさくない簡単なものか、再校正での確認に使うような場合は、納期を短縮できるから使い道はあるでしょうね。それでもお客さんがPDFを使えるというのが条件です。印刷会社とデザイナー同士でやり取りするような業者間でのやりとりの場合には、有効かも知れません。
 Acrobatの登録ユーザーは印刷会社やデザイナーより、一般企業の方が多いそうで、そういうではPDF校正の可能性は低くはないかも知れませんが、やっぱり色校正の見本を出して見てもらわないと、後々責任問題になりかねない。モニタだけで確実に色校正をチェックするのは大変だと思うよ、わたしゃ。
 もしその辺が解決できれば、印刷会社にとってもPDF校正は便利かも知れませんな。へたに色校正を行って、チェックをいっぱい貰うより、チェックが少なくてすみそうなPDF校正の方が、直しがへって営業マンにとっては効率的になるかも知れません。うっー、ほんとかな。
 販売はシステムソフトです。

◆関連記事
MacWEEK Online 1998/09/07 システムソフト,「Acrobat Exchanger」対応原稿校正用プラグイン発売



■デザインフォントType集、TypeDesigner
 「手作りフォントが1000種類」というバナーがGIga.Hitのバナーにあったので、見てみました。そこには「TrueTypeでもない、PostScriptでもない、新しいグラフィックフォント」という説明がありました。これはなんぞや。「TypeDesigner」という商品ですが、要するに欧文フォントのタイプ集で、テキストを入力して使いたいフォントを選択すると、そのデザインフォントになるというもの。概ねWebでのタイトルとか見出しなどに使って欲しいのかな、という感じです。
 最終出力は、フォントではなく、画像データとして出力されます。内部的にはIllustratorあたりで作成したPostScriptで作っていて、それを画像に書き出すのではないかと思いますが、商品説明の欄には、そこまでは書かれていませんでした。
 もし最初から画像が収録されているのであれば、出力時のピクセル数は制限されるので、印刷用には少し難があるでしょう。まあそれでも5倍くらいの大きさでつくって20%に縮小すれば使えますけどね。
 一般のユーザーにはこういうフォントの方が使いやすいのだろうと思います。
 販売はトランス・コスモス株式会社で、 商品の説明はpalmsoftincのTYPE LANDにあります。



■「LivePix(日本語版)」のモニター募集
 同じくトランス・コスモス株式会社のページで簡単なアンケートに答えるだけの「LivePix(日本語版)」のモニターを募集しています。9月末までにモニター商品を発送するそうですが、モニターの人数、締切は記載されていません。モニターの希望者が多くなると、抽選になるそうです。もちろんモニター終了後は、「LivePix(日本語版)」は貰えるそうです。
 「LivePix(日本語版)」はFlashPix完全対応のフォトレタッチソフトで、FlashPixについてはLivePicture社のページを御覧下さい。



▼1998年9月5日
■プリンターズ・サークル9月号
 巻頭の特集で、「デジタル化と印刷営業の現状」がテーマ。印刷営業でも、JAGATのDTPエキスパートの資格を持っている人は増えてきて、印刷会社の中にデジタルに強い営業マンがいるのは当たり前になろうとしているようだ。あとは全体のレベルアップをどう図るのかということがテーマになりそう。
 営業マン四氏による匿名座談会となっていて、「デジタルで営業の負担は減った」などという見出しがあります。データをコントロールできると、間違いなく営業の負担は減るでしょうね。
 営業がどこまで覚えればいいのかという点についての議論もあります。ここまでという線引きができないという悩み。でもこれは個人のスキルだからね、線引きする必要はありません。営業であろうとなかろうと、どこまでも覚えたほうがいいに決まってます。なに一生勉強なんだから、知識は多いほうがいいに決まっている。多ければ多いほどお客さんにたいして偉そうにできるわけで、仕事もやりやすくなる。失敗しないと覚えないこともあるけど、貪欲に学ぶという姿勢が必要です。
 今月号の「デジタル技術活用カイダンス」はプリンタフォントの話。またしてもプリンタフォント不要論をぶってしまった。Mac OS Xの時代には、本当にプリントフォントがなくても、問題のない出力を期待したいものです。もっともその前に我々がプロテクトフォントを使わないという選択が必要です。
 プリンターズ・サークルで最長期連載の坂本恵一氏の「気ままな印刷人日記」に、さる大手の印刷会社がオフ輪の通し単価でなんと「16銭」で受注したと乗っています。少し前から、いずれ通し1円(表4色裏4色、合わせて8色で)という時代になると言われていましたが、通し1円時代はもう目の前です。いまのところ普通に原価計算すると、到底16銭では無理のようで、オフ輪印刷業界の仁義なき戦いはこれからも熾烈になるようです。それにしても、どっちの大手印刷会社かな。

発行:JAGAT(日本印刷技術協会)



■MdN10月号
 発行日がどんどん早くなるMdN。まだ5日なのにもう書店に並んでいました。いつから正式発行日は6日になったのだろう。
 今月の特集は、「3Dグラフィックの7大要素」。Bryce3Dの紹介はわずかだが、「ただ何となく景色をつくっているだけでも楽しいソフトだ」という評は、賛成です。肩にちからを入れなくても、それなりにできてしまうのが嬉しいソフトだと私も思います。
 あんまり関係ないけど、11月号の特集は「Photoshopを本当に使いこなすため選択範囲自由自在(仮題)」だそうで、タイトルを見るかぎりおもしろそうやね。
 「DTPワーク実戦講座(山本英司氏)」にIllustratorはフォント名の最初の2ブロックしか認識しないとありました。なるほど覚えておこう。リュウミンL-KLは「Ryumin-Light-83pv-RKSJ-H」で細明朝体は「Ryumin-Light」になるので、同じフォントして扱われるということ。7.0Jでも同じ認識とのことだが、7.0Jのフォントメニューには、現れないフォントが結構あったようで、次のバージョンでそのあたりをどうするのかがちょっと注目すべきかな。
 「Let's Windows DTP出力実験室(藤崎孝二氏)」によると、Windows98はJISの約五千八百文字の補助漢字を標準で採用したとのこと。いまのところWord97SR-1(SR-1ってなんだ! まあいいけど)とWord98でしかも、補助漢字をエンコーディングしたMS明朝とMSゴシックの組み合わせでしか使えないそうだが、WindowsのTrueTypeフォントベンダーさんはどうするのだろう。コンピュータでフォントを作っているDynaLabならいざ知らず、それ以外のフォントメーカーにとっては頭の痛い話かもしれませんなあ〜。いやいやDynaLabだって程度の問題はあれ、頭の痛いのは確かかも。
 補助漢字をエンコーディングするにしても、販売価格を上げて売るしか方法はないだろうし、しかし、かと言って、売り値をあげればほとんど売れなくなりそう。
 でも補助漢字を多くの人が使うようになれば、Macintoshの環境にも影響を与えるかも。そんなことはないと思うけど。Macintoshでそういうことを勝手に行うと、すごいブーイングになりそうだが、Microsoftはフォントベンターに打診したりせずに、決めてしまったのだろうか。
 一応Windows98はユニコードに対応しているので、補助漢字はユニコードでエンコーディングしてあるらしい。ということはソフトがユニコードに対応していないとこの補助漢字は使えないということのようです。しかもFEPでは入力できない、というのが凄いねぇ。

発行:エムディエヌコーポレーション



▼1998年9月4日
■AdobeのK2、姿を現す
 AdobeがQuarkキラーとして開発していたあたらしいページレイアウトソフト「K2」が、Seybold San Franciscoで姿を現しました。「K2」はPageMakerのバージョンアップではなく、新たに開発したレイアウトソフトで、いままでQuarkPressの独壇上であったページレイアウトソフトの分野に殴り込みをかけるもの。Aldusから引き継いだPageMakerでは太刀打ちできそうにないので、いちからしきり直しということのようです。
 具体的にははっきりとしない部分が多いようですが、とりあえずテキストボックスがベジェ曲線になっていて、自在に変形できることと、それらを回転したり変形したりできるということらしい。そのあたりはIllustratorライクなページレイアウトソフトになるようです。
 しかし「K2」の注目すべきところは、AdobeだけでなくAppleと共同で開発しているというところでしょう。Appleは次世代OSとしてMac OS Xを予定していて、Mac OS Xの基本フォーマットはPDFになるという話になっています。要するとPICTの代わりにPDFを使うということで、そうなると描画速度が気にならならないわけではないけど、先を考えると、PICTでは物足りないということでしょうか。AppleがOSのプリミティブな部分の変更に伴って、Adobeと協力して、Mac OS Xへの移行を考えていると思われます。たぶんMac OS XはいままでのMac OSとは互換性は失われる部分が多いので、Macintosh最大のマーケットの一つであるグラフィックマーケットで、Mac OS Xの優位性を訴えたいのではないかと私は憶測しています。あくまで憶測ですけどね。

◆関連記事
CNET 1998/09/04 クォークとアドビの合併に疑問の目
日経MAC 1998/9/2 Jobs氏のSeybold基調講演(下)
OS X上でQuarkをデモ,AdobeのK2を初公開
MacWEEKOnline 1998/9/2 Seybold SF '98のJobs氏基調講演は「Mac OS 8.5」
AppleとAdobeの共同開発技術「K2」も紹介
ASCII24 1998/9/2 ジョブズの講演に人が群がるSeybold San Francisco/Publishing 98
MacWEEKOnline 1997/12/15 Adobe,PageMakerの後継ソフトを開発中



■Quark、Adobe買収の書簡をプレスリリースを公開
 QuarkのホームページにAdobeに対して行ったM&Aの提案の書簡が公開されています。書簡は3通あり、QuarkがAdobeに対して行った最初のもの。そしてそれに対するAdobeのつれない返事、そして買収に応じないことを残念とするQuarkの意見からなっています。本国のWebでは公開されていますが、日本語に翻訳したものです。
 いまのところAdobeはQuarkの提案を歯牙にもかけない風情ですが、業績の悪化を食い止めないと、こういう話はまたでてくるでしょうな。

◆関連記事
Quark 1998/09/03 クォーク社、アドビシステムズ社買収のプロポーザルを公表
ASCII24 1998/09/02 米クォーク、米アドビに買収を提案
CNET 1998/08/27 アドビ買収計画拒否された、とクォーク
日経MAC 1998/08/26 Quark,Adobeの買収に乗り出す
MacWEEKOnline 1998/08/26 「敵対」か「友好」か? Adobeに対するQuarkの買収提案
MacWEEKOnline 1998/08/18 米国Adobeがレイオフ,役員職の整理を実施

 それとQuarkのページには「4.0アップグレードキットお届け状況」が掲載されていて、9月3日の時点で、8月27日申し込み分(入金確認)の発送が行われているそうです。Quarkも対応がはやくなった!?



■Adobe ImageReadyを9月4日に発売
 AdobeからWeb画像ソフトのAdobe ImageReadyが発売されます。Web関係のソフトではMacromediaに大きく水をあけられたAdobeですが、巻き返しはいかに。
 この分野はどうなんるんでしょうね。私にはよくわからん世界です。いずれにしても、アプリケーションソフトは一番にならないと儲からないことは確かなので、後発の巻き返しに期待したいところです。
 9月13日まで「Adobe ImageReady 発売記念プレゼント」をやっています。



■Publisherに対抗するWindows仕様のDTPソフト
 Windows仕様のDTPソフトでPublisher 97の対抗馬だそうで、Design Intelligenceという会社が販売している「iPublish」がそれ。テンプレートを使うことでプロ並のページが作れるそうだが、DTPの未経験者がどのようなレイアウトがプロ並なのかを知ることは難しいと思いますね。DTPソフトもいずれは大衆化の時代ががやって来るというのは同感ですが、操作性とテンプレートだけでは、一番になれるでしょうか。
 もっともMacintoshユーザーには関係のない話でした。

◆関連記事
ASCII24 1998/09/02 DTPソフトで快走するDesign Intelligence社



■フォントワークスフォントのPostScript3対応
 フォントワークスのプリンタフォントをPostScript3プリンタにインストールできるリスA>が公開されています。リストされているのはほとんどが普通紙プリンタで、イメージセッタ用のRIPは、大日本スクリーン製造のFlashRIP AD-510PMと日本エーエムPantherのようです。でも、まだPostScript3を搭載したイメージセッタはそれほどでていないだっけ。そう考えると対応は早いかな。
 週刊「字々放談」では「限りなく透明に近い文字(5回シリーズ その1)」が掲載されています。“究極の理想的な書体とは何か”をテーマにした佐藤豊さんのインタービューです。



■QuarkPressでレイヤーが使えるXTension
 QuarkPressでもレイヤーを使えるようにするXTensionが発売されるそうです。7月に発表されていましたが、9月15日に発売することが決まったようです。QuarkPressにレイヤーが欲しいと思っていた人にとっては、朗報です。
 開発はサイテックスで、販売はエムシーパソコン販売。
 4.0Jにはいまのところ未対応とか。

◆関連記事
ASCII24 1998/09/03 QuarkPressでレイヤーが使えるXTension「LAYERMASTER」