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Acrobat 9 Proを使う前に知っておきたい
バージョンアップで追加された新機能の秘密
新たなプラットフォームを狙うPDFポートフォリオ。
PDFプレゼンのためのFLASHムービー埋め込み。
Acrobat .comでの差別化はMicrosoft対策か?
ウィザードでのフォーム作成はデータ収集のため。
やっと搭載された出力プレビューのオブジェクトインスペク。
フィックスアップで強制変換するPDF/X、PDF/A、PDF/E。
番外コラム Adobe PDF Print Engineビジネスモデルの真相
番外コラム フィックスアップでPDF内のカラーを特色に変換
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バージョンアップして、Acrobat 9 Proのプリフライト機能は大きく変貌したのだろうか。[出力プレビュー]や[色を置換]が大きく変わったように、プリフライトも大きく変わっていても不思議ではない。
印刷工程ツールからプリフライトのウィンドウを開いてみよう。ウィンドウのレイアウトは多少変わっているものの、見た目には大きな機能の違いは読み取れない。Acrobat 8 Proと同じようなプリセットのプロファイルがカテゴライズされてリストされている。
Acrobat 9 Proのプリフライトのウィンドウ。
Acrobat 8 Proではウィンドウ上部にオプションメニューを除いて5つのボタンがあった。その中の3つのボタンが削除されているのだ。削除されているのは
レポートを作成[レポート]
プリフライト結果を注釈として挿入[注釈]
プリフライトプロファイルを編集[編集]
3つだ。削除されたのはウィンドウのツールボタンだけであり、オプションメニューから同じように選択するのは、今までと同じである。これらは、ユーザーの使用頻度が高くないと判断されて、ボタンが削除されたのだろう。
[レポート]と[注釈]はほどんど使ったことがないので、削除されるのは理解できる。しかし[編集]も削除対象になったのは、いささか腑に落ちない。多くのユーザーが最初からプロファイルを作成することが少ないという現実が反映されているに違いない。
そこで追加されたのが、プロファイルを選択したときに表示される[編集]ボタンである。リストからプロファイルを選ぶと、リストの右側に現れるのである。このボタンをクリックすると、選択したプロファイルで[プリフライト:プロファイルを編集]パネルが開くのだ。
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なるほどと思うのは、プリフライトを編集するときは、既存のプロファイルをベースに編集することが一般的という利用方法に対応したのではないかということである。つまり、実際にプロファイルを編集するときは、既にある作成したプロファイルからカスタマイズすることが多いのである。そうであれば、選択したプロファイルの編集パネルを開いて、そのまま編集するほうが理にかなっている。
そうでなくても、Acrobat 8 Proの[編集]ボタンを押すと、「Acrobat / PDFバージョン互換性」が選択されてしまうのである。PDFバージョンの互換性を調べるプロファイルは、はっきりいってなくてもいいくらいである。したがって、プリフライトリストにある[編集]ボタンは、プリフライト作成ボタンではなく、プリフライトカスタマイズボタンなのである。
プリフライトウィンドウには削除された機能もあるが、追加された機能もある。追加された機能のなかで、便利そうなのは
お気に入り
の機能だろうか。カテゴライズされたプロファイルのみを選択して表示するだけでなく、お気に入りと登録したプロファイルのみを選択して、プロファイルを選択しやすくすることができる。つまり、使用頻度の高いものだけをリスト表示すれば、求めているプロファイルを選択しやすくなるわけだ。
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↓
「お気に入り」を選択すると、「お気に入り」だけがリストされる。頻度の高いプロファイルを「お気に入り」にしておくと、プロファイルが選択しやすくなる。
たとえば、プリフライトでPDFをPDF/Xにするにしても、アメリカやヨーロッパ仕様のPDF/Xのプロファイルは必要がない。日本で使うのはたいていが出力インテントに「Japan Color 2001 Coated」や「Japan web Coated (Ad)」くらいなので、それらだけをお気に入りに登録しておけばよい。お気に入りに登録すると、プリフライトリストの右側にフラッグのアイコンが表示される。
さらにプロファイルを選択しやすくした機能が追加された。上段のボタンにしたに
プロファイルを表示(デフォルトのプロファイル一覧)
単独のチェックを表示
単独のフィックスアップを表示
というアイコンが追加されている。ここではデフォルトで用意されたものとカスタマイズされたものを合わせて、カスタムチェックのカテゴリーで分類してリストする。だから、画像について調べるカスタムチェックのみを一覧したければ、[単独のチェックを表示]を選択して「画像」のカテゴリーをリストすればよい。
同じように「単独のフィックスアップを表示」も用意されている。フィックスアップカテゴリーで分類して、単独のフィックスアップのみをリストする。
単独のカスタムチェックのみをリスト。
単独のフィックスアップのみをリスト。
自前でカスタムチェックやフィックスアップをグループ化しなくても、プリフライトの機能でリストできる。あとは、カスタマイズしたカスタムチェックやフィックスアップ名を分かりやすいものにすればよい。
なお、Acrobat 9 Proでは8 Proのウィンドウの下部にあったPDF/XやPDF/Aのステータスの表示が削除された。おそらく、PDF/Xの種類が増えるとともに、PDF/AやPDF/EなどのISO規格が増えていくなかで、PDF/XやPDF/Aなどを強調する必要が薄れてきたためだろう。
(ショットはAdobe Acrobat 9 Pro Pre-Releaseより)
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