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Acrobat 9 Proを使う前に知っておきたい
バージョンアップで追加された新機能の秘密
新たなプラットフォームを狙うPDFポートフォリオ。
PDFプレゼンのためのFLASHムービー埋め込み。
Acrobat .comでの差別化はMicrosoft対策か?
ウィザードでのフォーム作成はデータ収集のため。
やっと搭載された出力プレビューのオブジェクトインスペク。
フィックスアップで強制変換するPDF/X、PDF/A、PDF/E。
番外コラム Adobe PDF Print Engineビジネスモデルの真相
番外コラム フィックスアップでPDF内のカラーを特色に変換
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Acrobatの印刷用の機能は、7.0 Proで印刷工程ツールとして集約して大幅に強化された。Acrobat 8.0 Proではフィックスアップ機能が追加されて、PDFを自動的に変換・編集する機能が追加された。それでは、9 Proではどのような新機能が追加されたのだろうか。
結論から言うと、印刷に関する機能では、瞠目するような大きな機能の追加はない。それぞれの機能を強化しブラッシュアップして、より使いやすいオプションが追加されている。
もっとも機能が追加されたものは[出力プレビュー]である。[出力プレビュー]には8.0よりいくつものオプションが追加され、PDF内のカラーだけでなく、オブジェクトの詳細も知ることができるようになった。[出力プレビュー]に追加されたものには
オーバープリントをシミュレート
表示リストの追加
警告の不透明度
オブジェクトインスペクタ
サンプルサイズ
ページの背景色を設定
がある。「オーバープリントをシミュレート」は、オーバープリントのプレビュー機能を[出力プレビュー]に追加したものである。もともと、オーバープリントプレビューは、アドバンズトメニューの印刷工程に置かれているが、[出力プレビュー]に移行して、モニタでの確認をしやすくした。オーバープリントの事故が印刷では多いからだという。
カラー警告でもオーバープリント部分を知ることはできるが、オーバープリントのシミュレートも[出力プレビュー]で確認するほうが、オーバープリントチェックの導線としては妥当である。
いずれ、印刷事故を引き起こすオーバープリントをAI機能で判断して、自動的に修正する機能が当たり前になるだろうが、当分は、目視でオーバープリントが適正かどうかを調べるしかなさそうだ。
「表示リストの追加」では表示されるカラーやオブジェクトの種類を豊富になった。「すべて」を含めて14種類が、9 Proでは21種類に増えているのである。RGBは「DeviceRGB」も表示できるようになっている。ただし、キャリブレーションRGBのみをリストすることは、ベータ版ではできないようだ。「デバイスCMYKと特色ではない」という選択も可能になっている。「レジストレーションカラー」「テキスト」「ラインアート」などとも個別に表示可能だ。
欲を言えば、[表示]内容をカスタマイズするオプションがあるとさらにいいかもしれない。「デバイスCMYKと特色ではない」だけでなく、「デバイスCMYKと特色とレジストレーションカラーではない」という設定がカスタマイズできれば使い道は広がるだろう(なお、「デバイスCMYKと特色ではない」を選択した場合、レジストレーションカラーのトンボは表示されないようだ)。
(ショットはAdobe Acrobat 9 Pro Pre-Releaseより)
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