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Acrobat 9 Proを使う前に知っておきたい
バージョンアップで追加された新機能の秘密
新たなプラットフォームを狙うPDFポートフォリオ。
PDFプレゼンのためのFLASHムービー埋め込み。
Acrobat .comでの差別化はMicrosoft対策か?
ウィザードでのフォーム作成はデータ収集のため。
やっと搭載された出力プレビューのオブジェクトインスペク。
フィックスアップで強制変換するPDF/X、PDF/A、PDF/E。
番外コラム Adobe PDF Print Engineビジネスモデルの真相
番外コラム フィックスアップでPDF内のカラーを特色に変換
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Acrobat 9 Proがアナウンスされた。当初の予定より早く、アドビストアでは6月末には発売されるという。前回のバージョンが2006年の11月なので、1年半強でのバージョンアップということになる。
バージョンアップの大きな部分はビジネス用の機能であり、ビジネスユースでのプラットフォームを目指すAcrobatが、PDF以外のファイルフォーマットを取り込み
PDFポートフォリオ
という機能を搭載したのは順当だといえそうだ。
PDFポートフォリオは、Acrobat 8にあったPDFの結合機能を進展させてPDF以外のファイルも1つのパッケージに収録するものである。PDFだけでなく、WordやExcel、PowerPointなどのファイルも同梱できる。InDesignやIllustratorも可能だ。PDF化する前の元データだけでなく、参考資料としてのデータも含めることができる。
IllustratorやPDFでは、プレビューが表示されます。
おそらく、ビジネスユーザーからヒアリングでPDF以外のファイルもパッケージ化したいという要望が多かったの違いない。当然ながら、PDFポートフォリオで同梱したPDF以外のファイルを開くためには、オリジナルのアプリケーションが必要である。
PDFポートフォリオが対応しているのはAcrobat 9 Pro(Professionalとはいわず、Proと表記するようになったようだ)以降である。以降というのは、いままでのAcrobat 3D Version 8を含めた機能強化した
Acrobat 9 Pro Extended
という上位バージョンが登場したからである。この「Acrobat 9 Pro Extended」と「Acrobat 9 Standard」は、Windows版のみになった。つまり、MacintoshのStandard版は消失したのである。
Pro版にあってStandard版にない機能は
PDFファイルの最適化
PDFポートフォリオ
PDFレビュー権限
PDF/Xなどの作成
などとなっている。Standard版にある主な機能は、フォームの作成と収集、セキュリティ、PDFの結合などである。印刷関係で使う場合は、Standard版はほとんど不要といってよい。Pro Extended版は、3Dデータを扱いたいときには便利だろう。
また、レビュー機能をさらに推し進めて、PDFをネットワーク上で共有できる仕組みが
Acrobat.com
である。現在のところベータ版だが、PDFを「Acrobat.com」にアップロードして複数のメンバーで共有して、編集したり注釈を追加したりできるようである。説明会ではこの機能を「リアルタイムコラボレーション」と呼んでいたように記憶している。Adobeが提供する無償のサーバを利用し、共有できるのは3名までのようだ。
Adobeが力を入れていた機能は、フォーム機能である。Web上のCGIなどを使った機能と同じように、PDFのフォームでもデータの送信が可能だ。プレス用の説明会の申込みも、フォームで申し込むようになっていたくらいである。フォームフィールドを自動的に認識する機能や、フォームの集計機能も強化されている。
できれば、ネット上の受注にも使えるように、フォーム内容を自動返信したり、自動的に計算したりする機能があればもっと面白い(ひょっとすると既にある?)が、いまのところ、「アンケートに使いましょう」程度のようである。
さて、欧米では浸透しているAcrobatだが、日本での普及どうだろうか。新しいバージョンへのシフトだけでなく、Acrobat自体のさらなる普及が進むかどうかについては、新しい機能を追加する以外の施策が必要かも知れない。(ショットはAdobe Acrobat 9 Pro Pre-Releaseより)
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