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今、なぜLETSなのか?


■ 写植とDTPではフォントはどこが違うのか

 DTP以前は文字は写植が使われていました。活字もありますが、商業印刷ではほんんどが写植でした。写植は文字盤の文字を光学的に印画紙に焼き込んで美しい文字を再現していたわけです。その後、写植はより高性能な電算写植というコンピュータを利用した専用システムへと進化しました。
 電算写植は高性能でしたが、コストも決して安くはありませんでした。しかも「買う」ものではなく、「借りる」ものだったのです。電算写植のマシンと書体を含めて、一ヶ月に一台あたり、60万円くらいのレンタルフィーがかかったといいます。しかし、それでも、写植業は採算がとれていたわけです。
 写植は、電算写植の出現以来、寡占化が進みました。写研というトップメーカーが、写植機をほぼ独占するまでになりました。電算写植は写植機メーカーというベンダーが管理しているシステムだったので、システムとしては安全性・安定性は保たれていましたが、技術革新という点では、ベンダー主導になるため、飛躍的な進歩はありませんでした。
 そこに現れたのが、舶来のDTPでした。1988年頃に日本に上陸したDTPは、いままでのようにベンダーが丸抱えの閉鎖的なシステムではなく、誰でもが手軽に同じシステムで綺麗な文字を入力して出力することができました。つまり、オープンなシステムだったのです。
 DTPでは、いままでの専用システムとは比較にならないほど低コストで高品位な文字を扱うことができました。そのため、数年の内に日本中に普及しました。電算写植は、文字を大量に処理する限られた用途でのみ生き延びることになったりのです。
 フォントは、写植ではマシンと抱き合わせという方式でレンタルされていましたが、DTPではMacintoshというコンピュータが使われ、レンタルではなく販売されていたので、DTPのアプリケーションやフォントもそれと同じようにパッケージ化されて販売されることになりました。
 ただ、DTPでは出力用の高品位なPostScriptフォントは、プリンタフォントが必要でした。DTPの基礎ともいえるAdobeが開発したPostScriptで動作するPostScriptプリンタにインストールされたプリンタフォントがモリサワのフォントでしたから、実質的には、DTPではモリサワフォントがスタンダードなりました。
 もちろんそうはいっても、ユーザーはモリサワフォント以外のフォントも利用できました。いくつものフォントベンダーが現れ、DTPで利用できるフォントは飛躍して増えたわけです。


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今、なぜLETSなのか?
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写植とDTPではフォントはどこが違うのか
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