■QuarkXPressへのコンバート
Illustratorでカラー印刷物のデータを作成したとき、カラー画像の容量があまりに多くなり過ぎると、イメージセッタの出力はたいへん困難になります。Illustratorのデータを分版出力するAdobe
Separatorは、一枚のフィルムを出力するのに全ての画像データを演算し、イメージセッタに転送します。QuarkXPressやPageMakerなどのページレイアウトソフトのように画像データは分版処理できないため、出力に必要以上の時間がかかるだけでなく、データ量があまりにも多かったり、RIPのバージョンによっては出力できなくなることもあります。
Illustratorで作成したデータが、40MBを超えるようであれば、QuarkXPressやPageMakerなどのページレイアウトソフトに貼り込み直すほうが賢明です。貼り込み直しに時間がかかっても、出力時間を短縮できれば、トータルでは生産性を向上できるからです。
まずIllustratorをQuarkXPressに貼り込むために、EPS形式で保存します。次にQuarkXPressを開きドキュメントを作成します。作成するデータサイズを印刷仕上がりサイズより天地左右とも15mm大きく設定します。同時にマージンガイドも天地左右とも15mmに設定します。またトンボはIllustratorのトリムマークを使用するので、トリムマークは出力の分版全てを設定しなくてはなりません。
ドキュメントが作成されると、ドキュメントに重なるように画像ボックスを作成します。始点の座標をX=0、Y=0、画像ボックスがA4ならW=240、H=327になります。そしてこのボックスにIllustratorのEPSデータを貼り込みます。このとき貼り込まれた画像をセンターにいれるためにcommmandキー+Shiftキー+Mのショートカットを使います。画像がボックスのセンターに入ると、トンボとマージンガイドが重なり合うので、視認できます。
ベースができたら、次に画像を貼り込み直します。貼り込み直す画像は一旦Photoshopで開き、DCS形式に保存し直しておきます。
もっとも簡単な方法は、画面表示に合わせてQuarkXPress上で同じサイズのボックスを作成し、画像を貼り込んでいきます。この方法は直感的な方法なので、多少の誤差が生じても差し障りがない場合に使います。
全ての画像を貼り込み直すと、Illustratorの画像を手直しします。Illustrator上の画像データを削除し、もう一度EPS形式で保存し直します。
もう一度QuarkXPressのドキュメントを開きます。[補助メニュー]から<画像使用状況>を選んでIllustratorのベース画像を更新します。このとき更新されたデータの位置がずれることがあるので、もう一度commmandキー+shiftキー+Mのショートカットを使います。そして貼り込み位置を確認します。 |
●QuarkXPressへのコンバートへの手順 |
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●QuarkXPressのドキュメント設定(A4の場合) |
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※天地左右各15mmずつ大きくするので、マージンガイドも各15mmに設定する。 |
●ベース画像ボックスの設定 |
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※始点の座標をX=0、Y=0、画像ボックスがA4ならW=240、H=327に設定します。 |
●貼り込まれたIllustratorのEPS画像 |
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※ドキュメントを大きくした分でマージンガイドを設定し、画像をセンタリングすると、トンボとマージンガイドがほぼ重なる。 |
●EPS形式のIllustratorのデータを更新する |
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※[補助メニュー]から<画像使用状況>でベースの更新する。このときもう一度センタリングを行う。 |