Adobe Acrobatの使い方とPDF出力講座:PDFのカラー変換からフォントの埋め込み、アウトライン化まで
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第12回◆PostScriptファイルを書き出す カラーウィンドウ


 PostScriptファイルを再書き出しするときに、もっともややこしい設定が、カラーウィンドウの設定でしょう。カラーウィンドウを正しく設定しなければ、印刷できないPDFになってしまいます。

 まず、[色]でカラーを選択します。そのままPDFを作成する場合は「コンポジット」を選択します。「コンポジットグレー」を選択すると、カラーがグレースケールに変換されたPostScriptファイルが書き出されます。

 「色分解」を選択すると、色分解されたPDFが書き出されます。そのままPDFにすると、CMYKと特色各版がグレースケールのPDFになります。「色分解(In-RIP)」では、RIP内機能で分版するPostScriptファイルを書き出します。PostScript 3に限られます。

 [トラッピング]はPDF内にあるトラッピングデータの処理方法を決めます。トラッピングデータがなければ、関係ありません。「Adobe In-RIP」は、「色分解(In-RIP)」選択したときのみに選択できるようになります。

 [スクリーン]では書き出すPostScriptファイルにハーフトーンスクリーン情報(網点情報)を追加します。ただしここでも、「色分解」「色分解(In-RIP)」を選択したときのみ、インキウィンドウで線数と角度が入力できます。

 つまり、色分解を前提とした場合しか、ハーフトーンスクリーン情報は指定できないのです。実際にPDFを分版出力する場合、ハーフトーンの線数や角度はRIP側で指定しますので、PDF内に含める必要はまずありません。また含まれていても、Distillerのカラータブで無視することができます。

 Acrobatから分版出力を指定するときは、[反転]で膜面を指定します、通常はポジ出力になりますが、「ネガ」をチェックすると、ネガ出力できます。なお、プリンタ記述ファイルに「AdobePDF7」を選択しているときは、ネガは選択できません。PostScriptファイルを書き出すときは、使わない設定です。



 もっもとややこしい設定が[プロファイル]です。ここでカラー変換する場合のプロファイルを指定します。カラーを変換しない場合は、「ソースと同じ(カラーマネージメントなし)」を選択します。

 カラー変換する場合は、ここで変換先のICCプロファイルを選択します。ただしここで変換できるのはカラーモードが異なる場合です。コンポジットカラーのPDFをグレースケールに変換したり、RGBをCMYK(その逆も)にできますが、CMYKのPDFの異なるCMYKのICCプロファイルを割り当ててもCMYK値は変わりません。

 RGBのPDFを開いて、CMYKのプロファイルを指定すると、書き出されたPostScriptのカラーモードはCMYKになります。Acrobat 7.0 Proでは、[色を置換]でカラー変換できるので、[色を置換]でうまくいかないときに、ここでカラー変換できます。ただし、RGBブラックを墨ベタに置き換えることはできません。

 また、[プロファイル]で「Dot Gain 15%」などのグレースケールのプロファイルを指定すると、コンポジットカラーのPDFはグレースケールに変換されます。ただし、割り当てるグレープロファイルによって変換されるグレー値は変わります。Illustratorでグレースケールに変換するようには変換できません。

 プロファイルの下にある4つのチェックボックスはチェックしません。[出力プレビュー設定を適用]をチェックすると、[出力プレビュー]のプロファイルが強制的に割り当てられ、CMYKを別のCMYKに変換することが可能です。ただし、墨ベタもCMYKのかけ合わせになります。

 Distillerで再度PDF化するときは、基本的に、[色]で「コンポジット」を、[プロファイル]で「ソースと同じ(カラーマネージメントなし)」を選択して書き出します。




 [色を置換]でのカラー変換の詳細については『Adobe Acrobat 7.0 ProからPDFを思い通りに出力する方法:WordからPDFにして出力する裏技満載』の「カラー変換編」を御覧下さい。


DTP-Sウィークリーマガジン/244号/2006.3.31配信





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