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───インクナブラPDF出力実践セミナー───
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▼第1回◆PDF内のテキストを強制的にアウトライン化する方法 |
PDFで出力する場合、テキストをアウトライン化してしまいたいことがありますね。たとえば、Windowsで作成したPDFをMacintoshで修正したいとしますね。そのとき、フォントが埋め込んであるときは、MacintoshのIllustratorで開くと、フォントが再現できません。また、TouchUpテキストツールも使えません。Windowsのフォントですから、当然ながら認識できないわけです。
しかし、テキストをアウトライン化してしまうと、MacintoshのIllustratorで開いて編集することができます。テキストの編集もWindowsで利用したオリジナルフォントにこだわらなければ、テキストを修正することができます。フォントはアウトライン化してしまうと、完全にOSに依存しなくなるわけです。
さて、PDF内のテキストをどのようにしてアウトライン化するのかというと、これが簡単なんです。といっても裏技ですから、少し手間はかかります。それで、どうするのかというと、透明のあるPDFの透明を分割・統合するときに、テキストをアウトライン化する機能を利用するのです。
Illustratorで透明を指定して「PDF 1.3」で保存すると、テキストがアウトライン化されてしまうことはご存じですね。Illustratorでは透明を分割するとき、強制的にテキストをアウトライン化するのです。Illustratorではテキストのアウトライン化をコントロールすることができませんが、Acrobatではそれが可能です。
テキストのアウトライン化ができるのは、Acrobat 6.0 Professional以降です。残念ながら5.0ではできません。PDFに透明があれば、Acrobatの機能で透明を分割するときに、テキストをアウトライン化することができます。
Acrobat 6.0 Professionalには透明の分割機能はありませんから、PostScriptファイルを書き出すときに透明を分割します。PostScriptファイルを書き出すときのオプションで[透明部分の分割・統合]で「すべてのテキストをアウトラインに変換」というオプションをチェックすると、PDF内に透明があるページのテキストはすべてアウトライン化されてPostScriptファイルが書き出されます。
Acrobat 7.0 Professionalでは、印刷工程パレットの[透明の分割・統合プレビュー]で「すべてのテキストをアウトラインに変換」という設定がありますから、それをチェックして透明部分を分割すると、テキストがアウトライン化されるわけです。
つまり、PDF内に透明オブジェクトがあるとそれを分割するときにテキストもアウトライン化されるわけです。したがって、テキストをアウトライン化したいときは、PDFに強制的に透明オブジェクトを貼り込んでやればいいことになります。
貼り込む透明オブジェクトはIllustratorで作成します。白い塗りだけのオブジェクトを作成し、乗算を指定して透明を維持したまま、つまりAcrobat
5.0互換でPDF保存するわけです。そしてAcrobatでそのPDFを開いて、透明オブジェクトをTouchUpでコピーペーストして貼り込みます。そうすると、PDFが透明になりますが、あとはPostScriptファイルを書き出すなりして、テキストをアウトライン化すればいいわけです。
指定した位置に透明オブジェクトを貼り込むことはできるでしょうか。また、複数ページの場合はどうすれば、いいのでしょうか?
詳しくは『Adobe Acrobat 7.0 ProからPDFを思い通りに出力する方法:WordからPDFにして出力する裏技満載』の「テキスト変換編─透明分割を利用してテキストをアウトライン化する」を御覧下さい。
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DTP-Sウィークリーマガジン/204号/2005.4.13配信
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