Adobe Acrobatの使い方とPDF出力講座:PDFのカラー変換からフォントの埋め込み、アウトライン化まで
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▼Acrobat 8 Professional新機能その11 プリセットする透明の分割・統合の設定


 Acrobat 8 Proの印刷工程パレットなかで、[透明の分割・統合]で[透明の分割・統合のプリセットオプション]が保存できるようになっています。頻度の高い設定は、Illustrator CSやInDesign CSのように、透明の分割・統合設定を保存して利用できます。

 [分割・統合プレビュー]を開くと、7.0の[分割・統合の設定]が[透明の分割・統合のプリセットオプション]という表記に変更されています。デフォルトでは[プリセット]に

[低解像度]
[標準解像度]
[高解像度]


 が用意されています。印刷用に変換する場合は、[高解像度]を指定するのが適切そうですが、そのまま使うよりカスタマイズして利用するほうがいいでしょう。

ラインアートとテキストの解像度 1200 ppi
グラデーションとメッシュの解像度 300 ppi


 となっていますが、解像度が高すぎます。



 通常[ラスタライズとベクトルのバランス]を「100」にしていると、ラインアートやテキストが画像化されることはありません。テキストを画像化しないのであれば、「400 ppi」あれば十分です。

 [グラデーションとメッシュの解像度]は、PDF内のグラデーションやグラデーションメッシュだけでなく、ドロップシャドウなどのラスター効果を分割・統合するときに利用される解像度です。「300 ppi」は必要以上の解像度で、「200 ppi」もあれば十分でしょう。

 [グラデーションとメッシュの解像度]の解像度が高いと、変換されたときのPDFのファイルサイズも大きくなります。必要十分な解像度を指定することが望まれます。

 透明を含むPDFがあるとき、そのページのテキストをアウトライン化するときは[すべてテキストをアウトラインに変換]をチェックします。また、透明の影響を受けるオブジェクトに線があるとき、[すべて線をアウトラインに変換]すると、線オブジェクトが塗りつぶしオブジェクトになります。

 デフォルト以外の設定を保存するときは、[ラスタライズとベクトルのバランス]以下の設定を行い、[保存]します。名前を付けて保存したプリセットは、次回から[プリセット]のリストで選択して利用できます。

 また、ここで作成した透明の分割・統合設定のプリセットは、[PDFの最適化]でも利用できます。[PDFの最適化]でも透明の分割・統合は別途設定していましたが、[分割・統合プレビュー]で作成したプリセットを指定するだけで、最適化時に指定できます。

 同じように、別名保存して[書き出し]するときの「PostScript」や[EPS]のウィンドウでも[透明部分の分割・統合]ウィンドウがなくなり、透明の分割・統合は、[カラー]ウィンドウで[透明部分の分割・統合のプリセット]で作成したプリセットを指定するようになっています。

 プリントウィンドウの[詳細設定]でも、同じように[カラー]ウィンドウから[透明部分の分割・統合のプリセット]を選択するようになっています。[書き出し]や[プリント]で透明の分割・統合を指定するときは、 [分割・統合プレビュー]で利用するプリセットをあらかじめ作成しておく必要があります。



この記事はこちらのブログにアップしたもののHTML版です。


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