Adobe Acrobatの使い方とPDF出力講座:PDFのカラー変換からフォントの埋め込み、アウトライン化まで
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Acrobat


▼Acrobat 8 Professional新機能その7 [プリフライト]で変更追加された機能


 Acrobat 8 Proの印刷関係の機能のなかで、もっとも大きな変貌を遂げたのが[プリフライト]です。プリフライトの編集方法が大きく変わり、フィックスアップというPDFの編集加工機能が追加されています。まず、プリフライトウィンドウの違いをみていきましょう。

 まずプリフライトウィンドウを開いて大きく変わったことは、Acrobat 7.0 Proでは羅列されていたリストが、Acrobat 8 Proではグループ分けされています。いままでは[よく使うプロファイル]をチェックすることで、リスト表示をボールド表記にし、リストの上段に位置させていましたが、グループに分けることで、リストをすっきり見せています。



 従来のターゲットを想定したプロファイルは、「デジタルプリンティング」と「プリプレス」グループに振り分けられ、個別に解析するプロファイルは「PDF解析」に含まれています。

 「PDF/A準拠」と「PDF/X準拠」はいままでなかったものです。「PDF/X準拠」では、PDF/Xに準拠するかどうかだけでなく、出力インテントを指定したPDF/Xに変換するプロファイルも含まれています。PDF/Aも「PDF/A-1a」と「PDF/A-1b」に準拠を確認するプロファイルと、指定した出力インテントのPDF/Aに変換するプロファイが含まれています。

 「PDFフィックスアップ」では、フィックスアップ機能で、PDFを変換するためのプロファイルが24種類用意されています。カラーを変換したり、透明を指定した設定で分割・統合するもの、トランスファ関数やハーフトーン情報を削除するプロファイルが用意されています。実際に運用する場合は、運用状況に合わせて複数のフィックスアップを組み合わせて行うのが実際的でしょう。

 また、読み込んだプロファイルは「取り込まれたプロファイル」としてリストされます。編集ウィンドウでグループ名は変更できます。

 ウィンドウの下部には3つのチェックボックスがあります。[プリフライトの対象ページを限定]は、従来のままですが、それに加えて

表示されているレイヤーのみにプリフライトとチェックを実行
フィックスアップを適用せずにプリフライトプロファイルを実行


の2つのオプションが追加されています。レイヤーを含む場合、表示レイヤーのみにするか、非表示レイヤーも含むのかが指定できます。印刷用では、Acrobat 6.0以降の非表示レイヤーを含む「PDF 1.5」以降はほとんど使わないので、ここはオフにするのが基本です。

 また、プロファイルは、プリフライトでチェックしつつ、フィックスアップしてPDFを編集することが可能になっています。PDFの編集をAcrobatで行わず別のツールで行う場合などは、[フィックスアップを適用せずにプリフライトプロファイルを実行]をオフにしてプリフライトを実行します。

 Acrobat 7.0 Proでは文書のステータスとしてPDF/Xかどうかが表示されましたがAcrobat 8 Proでは、PDF/Aであるかどうかのステータスもリストされます。

 ウィンドウの右上にアラートアイコンがおかれています。このアラートアイコンは、プリフライトする前に確認しておきたいことをリストするものです。ここでは

ローカルフォントを使用
オーバープリントプレビュー
出力プレビュー
出力インテントを作業用カラースペースに優先的に適用


が[プリフライト:表示設定の警告]というウィンドウで説明されます。[調整]ボタンを押すと、ローカルフォントの使用は「オフ」になり、オーバープリントプレビューは「オン」になります。



 また、環境設定の[カラーマネージメント]で[出力インテントを作業用カラースペースに優先的に適用]が「オフ」になっていると、ここを「オン」にします。[出力プレビュー]は、開いたままプリフライトすることをここでは推奨しています。[出力プレビュー]を閉じていると、アラート表示になります。

 [オプション]メニューでは、いくつかのメニューが追加されています。追加されたメニューは

現在のPDFをPDF/Aに変換
プリフライトドロップレットを編集
文書内のすべてのフォントに関する内部構造を参照
インベントリを作成


です。



 [現在のPDFをPDF/Aに変換]は、PDFをPDF/Aに変換するものです。[プリフライトドロップレットを編集]は作成したドロップレットを編集する機能です。[文書内のすべてのフォントに関する内部構造を参照]は、PDF内で使われているフォントの詳細な情報を確認することができます。[インベントリを作成]ではインベントリ=目録をPDF化します。これは、PDFのレポートとともに、PDF内の

フォント
カラー
スムーズシェード
パターン
画像
フォームのXObject


について、リソースの内容を詳細に記述します。使われているカラースペースの詳細や、使われているフォントの詳細とそのグリフの一覧などがリストされます。




この記事はこちらのブログにアップしたもののHTML版です。


『ヘルプとガイドだけではわからない、Acrobat 8 Pro新機能ガイダンス』は上記記事に追加加筆して書籍化されています。書籍版はこちらから。





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Acrobat Professional 9 日本語版 MAC アップグレード版 STD-PRO
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Acrobat Professional 9 日本語版 MAC アップグレード版 PRO-PRO
発売元:アドビシステムズ/MacOS X 10.4.11以降/メディア:DVD-ROM/発売日:2008/7/11

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