|
|
───インクナブラPDF出力実践セミナー───
|
▼はじめに〜Acrobat
8 ProfessionalでPDFはどう変わる |
Acrobatが新しいバージョンになりました。情報解禁日(2006.9.19)が今日だったようで、いくつかのニュースサイトで取り上げられていますね。私も、ベータ版にふれる機会があり、すこしさわってみました。
新バージョンのもっもと大きな「売り」は、Web会議のようですが、当面は日本語版はリリースされず、Web会議のために必要なConnectは320万円という高額なサービスなので、DTPユーザーにはほとんど関係ない機能でしょう。「専用のTV会議システムを導入するよりも安い」とか。
Web会議そのものは、もともとはMacromediaのもののようです。こういう機能を強化していく理由は、法人ユーザーの囲い込みが目的でしょう。企業内や企業間でのコミュニケーションツールとしての利便性を高めていく必要があるからです。
だから逆にいうと、それ以外の機能は、大きく変貌することはなさそうです。とくに印刷関係の機能強化は天井かもしれません。Vistaを意識するようになると、企業向けの機能にフォーカスして開発を進めることになりそうですね。
8(8.0ではなく、Acrobat 8という)になって、メニュー周りが大きく変わっています。Mac OS XのAcrobat
7.0 Proでは、ツールメニューがOSのメニューの下にセットされていました。PDF表示ウィンドウとは関係なくモニタ全体に配置されていましたが、Acrobat
8では、Windowsと同じように、ビューワーウィンドウの上部にセットされています。
また、メニューで使われているアイコンが一新されていて、より見やすくなっています。最上段のメニューには、8つの機能が並んでいますが、これらはある意味では、他社のPDF作成ソフト、とりわけ、Windows
VistaやOfficeの最新版に搭載されるPDF作成ソフトを意識したものでしょう。
PDFの作成
ファイルの結合
書き出し
Web会議の開始
セキュリティ
署名
フォーム
レビューと注釈
の8つの機能が強調されています。
Vistaが登場しなくても、廉価なシェアウェアやフリーのPDF作成ソフトは数多ありますから、それらと差別化するためには、「Acrobatならでは」の機能を、よりわかりやすくする必要があるといえます。
ドキュメントからのPDF作成機能ですが、たとえば、InDesignのドキュメントがあれば、そのままPDFに変換できます。それ以外でも、PostScriptファイルやEPSも変換でき、ジョブオプションファイルやセキュリティ設定を指定できます。
「Adobe Acrobat 8 Professional操作ガイド」というウィンドウが用意され、PDF使う上で重要度の高いものが並んでいます。ここにあるものは、メニューバーの上部にある機能と同じものです。簡単な説明と、ヘルプファイルへのリンクが用意されています。この操作ガイドは以前からの「使い方」とは別です。
印刷工程パレットには大きな変更はありません、プリフライトを除いて。アイコンは派手なものに差し替えられていますが、透明の処理が変わったくらいで、大きな違いはありません。
プリフライトは仕組み自体は変わってないのですが、ウィンドウの設計が全く違ったものになっています。プリフライト規則とか、条件とかのウィンドウが、もうありません。この2つは1つに統合されてしまいました。
私もニューバージョンの機能をすべて知っているわけではありませんが、印刷工程パレットなどが大きく変わっていないということは、少なくとも、Acrobat
7.0 Proのユーザーはそのまま移行できるということになります。
また、細かい部分での機能強化が行われている可能性があります。ウインドウやメニュー周りで、こっそりと面白い機能が追加されている可能性があります。そういう意味では、新しいバージョンはなかなか面白いかもしれません。
*このときはフィックスアップの機能を知らなかったので、ここではそれについては触れていません。あしからずご了承ください。
この記事はこちらのブログにアップしたもののHTML版です。
|
◆『ヘルプとガイドだけではわからない、Acrobat 8 Pro新機能ガイダンス』は上記記事に追加加筆して書籍化されています。書籍版はこちらから。
|
|
Acrobat Professional 9 日本語版 WIN 通常版
発売元:アドビシステムズ/Windows XP以降/メディア:DVD-ROM/発売日:2008/7/11
さまざまなコンテンツを1つのPDFポートフォリオにまとめて、視覚的に管理・閲覧できるプロフェッショナル版。出力プレビュー、色を置換、プリフライトやフィックスアップなど印刷用の機能をすべて網羅している。
|
|