■Fontographerでフォントデータを調整
仮想ボティを含めてIllustratorで文字を作成したら、これをEPS形式で保存します。
次にFontographerを開き、<ファイルメニュー>で[新規フォント...]を作成します。すでにあるFontographerのファイルに上書きするときは、そのファイルを開きます。
文字を入力するコードを選択します。[A]を選択すると、キーボードから[A]を入力してそのフォント指定すると、Fontographerで作成した文字がフォントとして現れるわけです。
文字コードのあるエリアをクリックして[フォントウィンドウ]を開きます。<ファイルメニュー>から、[読み込み]のサブメニューで[EPS...]を選択します。ここでIllustratorで作字したEPSファイルを読み込みます。
さて読み込まれたファイルはベースラインとアセンダーラインの間に位置します。しかしFontographerのデフォルトでは、ベースラインはディセンダーラインより200emの位置にあります。しかし、これは欧文のフォントの基準であって、日本語ではこの基準はそのままでは使えません。また日本語が1000em角の文字ボックスで設計されているにも変わらず、読み込みではベースラインとアセンダーラインの間の800emの大きさになっています。この読み込まれた文字のデータを他の日本語の文字と並べても違和感のないように、調整してやらなければなりません。
まず仮想ボティで1000em必要な日本語の文字サイズが800emで取り込まれているので、ツールボックスの拡大ツールで拡大します。拡大率は仮想ボティが1000emになればいいので、125%です。[水平][垂直]ともを125%にします。これで仮想ボティは1000emになります。
つぎに全てを選択して、仮想ボティと文字を移動し、文字をベースラインから125em下がったところに移動します。仮想ボティの左下をドラックして、原点ラインから垂直にベースラインのポイントより125em下げます。正確に移動するにはウィンドウの表示サイズを拡大するとそれほど難しくありません。
ここで仮想ボティを削除しておきます。文字の選択を解除してボックスだけをクリックして、deleteキーを押します。一辺だけ残るのでそれも選択して削除します。
これで天地の位置が決まりました。今度は文字の左右の位置を決めます。まず文字幅を設定します。文字幅は<メトリスクメニュー>の[幅設定...]で行ないます。ここの[幅設定]は読み込まれた文字の大きさに合わせて変更されているので、1000emにします。そして同じ<メトリスクメニュー>の[左右サイドベアリンクを均一化]というコマンドを使って、文字を1000em角左右均等にします。文字によっては左右均等であるとは限りませんが、取りあえず左右を均等にします。
たとえばリュウミンL-KLの代わりに、平成明朝W3を使用したようなときは<エレメントメニュー>の[ウエイト変更...]で少しウエイトを細めてやれば、リュウミンL-KLに近くなります。
こうして作字した文字をFontographerに入力したら、フォント名をつけます。フォント名は<エレメントメニュー>の[フォント情報...]で[名前]の[ファミリー名]と[スタイル名]を入力します。名前は最初の一文字が大文字後は小文字にします。最初に特殊記号を用いてはいけません。
フォント名がついたら<ファイルメニュー>で[フォントファイル作成...]で、フォントとして書き出します。[出力ビットマップサイズ]とフォルダを指定して[作成]ボタンを押せば、それで1バイトのフォントが作成されます。
作成されたスーツケースファイルとアウトラインファイルをシステムに入れて、ローマン入力で指定したキーを入力し、フォントを指定すればOKです。
この方法ではたいていの問題なく使えのですが、フォントメーカーによってフォントによっては、仮想ボティの位置が異なることもありますし、誤差もでるようです。。ですから、より正確にするためには、ベースに使用した文字と作成した文字を並べて両方をアウトライン化し、一方から一方に移動すれば、位置のずれなどが分かるので、もう一度Fontographerにフィードバックして作成し直すとより正確になります。 |
●[フォントウィンドウ]を開く |
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※<ファイルメニュー>で新規でフォントを作成するか、もしくはFontographerのファイルを開きます。文字をエンコードする文字コードをクリックして。[フォントウィンドウ]を開きます。
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●EPS形式の文字の図形データを読み込む |
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※EPSで保存したファイルを[読み込み]ます。仮想ボディごとベースラインとアセンダーラインの間に読み込まれます。次に拡大ツールで水平垂直を125%拡大します。これで仮想ボディのサイズが1000emになります。 |
●仮想ボディの原点ラインを設定する |
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※全てのオブジェクトを選択して、仮想ボディのボックスの左下のポイントをドラッグして原点ライン上で、ベースラインから[-125]の位置まで移動させます。
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●仮想ボディを削除する |
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※選択ツールで仮想ボディを選択し、削除します。これで天地の位置が確定したので次に左右の位置を設定します。
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●フォント名を付けてフォントファイルを作成する |
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※フォントができたら、フォント名を付けます。原則として欧文で最初の一文字を大文字、あとは小文字にします。特殊記号をフォント名の最初に使ってはいけません。フォント名を付けたのち、<ファイルメニュー>の[フォントファイルの作成...]でフォントを作成します。またフォントファイルとは別にFontographerをファイルの保存しておきます。
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