■特色のLab値を入力する
まず印刷で使う特色を決めなければなりません。ここではたとえばDIC216とDIC564としておきます。グリーンのDIC216はシアン版を代用、朱赤のDIC564はマゼンタ版を代用することとします。
つぎにレイアウトする画像をCMYKに変換します。あるいはCMYKモードの画像を用意します。この方法ではRGBモードのまま、インキ設定をカスタマイズすると正しく変換が行なわれないので注意が必要です。
プレビュー画像を変換するためには、[C:]と[M:]と[CM:]のインキの色を決めなければなりません。つまり[C:]にはDIC216の色を、[M:]にはDIC564の色を、[CM:]にはDIC216とDIC564の色を重ね合わせた色を設定するのです。
Photoshopではデバイスインディペンデントカラーとして、Lab入力できるようになっています。カラーモードが変わってもLab値は変わらないので、[インキの色特性]の各版のカラー変更にはLabを入力します。
特色のLab値は、Photoshopの描画色(もしくは背景色)のボックスをクリックし、カラーピッカーで[カスタム]をクリックすると、カスタムカラーの選択が行なえます。この場合、ここで[DICカラーガイド]をにし、[216]と入力すればDIC216が選択されます。その状態で[ピッカー]をクリックすると、カラーピッカーの表示に戻るので、そこに表示されたLab値が、DIC216のLab値です。ちなみにDIC216のLab値はL=59、a=-46、b=5となっています。同じようにDIC564のLab値もカラーピッカーを使って拾いだします。あとでLab値を入力しないといけないので、数値を書き写しておきます。
[C:]と[M:]のLab値がわかったら、[CM:]を求めます。この場合、かけ合わせた色はカラーピッカーだけではわかりません。[CM:]の合成した色のLab値を求めるには、特色1版のみのダブルトーン画像を作成し、それをCMYKモードにして二つの色を重ね合わせて乗算します。
ダブルトーンモードで[ダブルトーン2版]にして、インキにDIC216と564を入力し、[オーバープリントカラー...]をクリックすると、スクリーンが網点を重ね合わせた色にはなりません。おそらくダブルトーンモードではカラー設定のどこかのデータを参照して、オーバープリントカラーを算出しているようです。カスタムカラーをCMYKカラーに変換するときに、Lab値までも変わってしまうのです。
これで[C:]と[M:]と[CM:]の三つのLab値がわかりました。[インキの色特性]ボックスを開き、[C:]のカラーチップをクリックしてカラーピッカーを表示させ、DIC216のLab値を入力します。同じように、[M:]にはDIC564のLab値を、[CM:]には合成色のLab値を入力します。
最後に不要となるイエロー版と墨版を削除します。チャンネルパレットを表示し、イエロー版及び墨版のみを表示させ、全てを選択してdeleteキーでイエロー版及び墨版を削除します。こうしないと、イエロー版にはイエローの設定が残ったまま、墨版にも墨のデータが残ったまま、プレビュー画像を作成するため特色二色のデータにはなりません。
こうして[インキの色特性]をカスタマイズした画像をレイアウトソフトに貼り込み、カスタムカラー(もしくはスポットカラー)で指定したものを、QuickDrawプリンタで出力すると、画像はCMYKのインキに置き換わるものの、プレビューのデータを参照にするので、あたかも特色を二色分解したような仕上がりになります。
フィルム出力時には、DIC216の指定はシアン版に、DIC564の指定はマゼンタに一括して変換し、シアンとマゼンタで出力します。そのフィルムを使ってDIC216と564で印刷すれば、画像を差し替えることなく二色分解のデータを扱えます。 |
●216のカラーピッカー |
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※カラーピッカーの[カスタムカラー]のダイアログでカスタムカラーを指定して、[ピッカー]のボタンをクリックすると、そのカスタムカラーのLab値を知ることができます。564も同じようにしてLab値を調べます |
●かけ合わせの色のLab値を調べる |
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※ダブルトーンでカスタムカラーのベタの画像を各々作り、CMYKに変換します。いずれかをコピーし、もう一つにペーストします。レイヤーのモードを[乗算]にすると重ね合わせた色ができます。
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●[インキの色特性]を変更する |
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※[C:][M:][CM:]のカラーチップをクリックして、カラーピッカーで調べて各色のLab値を入力します。カラーチップの色が変更された色に変わります。
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●使わない色版のデータを削除する |
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※インキの色特性を変更したあと、不要なイエロー版と墨版のデータを削除しておきます。 |
●インキの色特性をカスタマイズしたプレビュー |
※DIC216とDIC564で作られたプレビューイメージ。変更されたのはプレビューのみなので、もとのCとMのデータはオリジナルのままです。
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