■モニタを合わせないと話にならない
DTPでモニタの色を合わせるというのは、実質的にはPhotoshopでモニタの色を正確に表示させるということです。モニタを正しく表示させる方法には三つの段階があります。
まずひとつには[コントロールパネル]内に入れる[ガンマ]のコントロールパネル書類です。[ガンマ]はPhotoshopのインストールCD-ROMの中にあるので、これをMacintoshのシステムにドラッグする必要があります。
[ガンマ]の設定には、まず[ガンマ補正]というのあります。もともとガンマというのは、電子銃によるビームでの特性を補正するものです。モニタでは印刷したものなどの濃度と比べて中間調が低く見えてしまうため、中間調の濃度を上げてやることで、色の濃度が印刷したものと同じように、人間の目に見せるものです。一般にMacintoshでは[ガンマ]の設定は[1.8]となります。
ただしモニタの機種などによって多少の誤差があります。これを[ガンマ値の微調整]で行います。ここのスライダーを左右させて、そのうえにある市松模様の網を調整します。網は粗いものと細かいものがありますが、スライダーを動かしてこの粗い網と細かい網が同じように見えるようにします。少し離れて[ガンマ]の市松模様が同じに見えれば、[ガンマ]の設定は取りあえず出来上がりです。
次にPhotoshopで<ファイルメニュー―カラー設定>で[モニタの設定]のダイヤログを開きます。まず[モニタ]という項目をプルダウンさせて、そのメニューの中から、使っているモニタを選択します。
[ガンマ]はコントロールパネルでセットした[1.8]、[白色点(色温度)]は通常[6500°K(ケルビン)]にします。白色点は、もっとも白い色の基準値です。数値が高くなるとかすかに青みを帯び、低くなると黄色くなります。紙に印刷するとき当然紙は全くの白ではなく、多少の色がついています。普通、紙の色は5000°K程度ですが、6500°Kを選択するのが一般的です。
[RGB色度座標]というのは、ブラウン管の種類です。ブラウン管によってモニタの特性が変わるので、モニタが使用しているブラウン管を選択します。
もし使用しているモニタが[モニタ]のリストにないときは、モニタのリストに[ColorSync System Profile]を追加することで、リストに加えることができます。システムフォルダ内の初期設定フォルダに[ColorSync
Profiles]というフォルダがあります。ここに使用しているモニタのColorSync Profilesを入れておき、コントロールパネル内の[ColorSync
System Profile]でそのプロファイルを選択します。そうするとPhotoshopを起動して[モニタの設定]を開くと、[モニタ]にそのモニタのプロファイルが読み込まれ、モニタの特性に応じた[モニタの設定]ができます。
もしモニタのプロファイルない場合は、メーカーに問い合わせて、[白色点(色温度)]と[RGB色度座標]の値を入手します。それぞれを[カスタム]にして、[白色点(色温度)]の[x、y]の値、[RGB色度座標]のRGBそれぞれの[x、y]の値を入力します。これでモニタの機種ごとの設定は完了です。
モニタの電子銃は、時間が立つと劣化してきます。電子銃はRGB各々1本で合計3本ありますが、このバランスが微妙に違ってくるのです。このため、モニタは三ヵ月程度で電子銃のバランスを調整してやらなければなりません。目測で行う場合は、カラーチャートなどを印刷した基準となる印刷物を用意します。その元データを画面に表示し、その両者を比べて色を調整します。色の調整はコントロールパネルの[ガンマ]で行います。[ガンマ]で[カラーバランス]を選択し、その中のカラースライダーを動かして色目を合わします。
もっと正確に行うには、カラーマッチングのツールにはモニタの管面を測定するデバイスがあるので、これを使って実際の表示色をいくつも測定し、その測定値に基づいたモニタのプロファイルを作成することです。管面測定を行うと、モニタはほぼ間違いない表示ができます。 |
●[ガンマ]で補正する |
◎ガンマ値の微調整前 |
◎ガンマ値の微調整後 |
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●<ファイルメニュー―カラー設定>で[モニタの設定]のダイヤログを開く |
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※[モニタ]のリストにない場合は、ColorSyncのプロファイルを読み込むことになります。 |
●ColorSyncのプロファイルを読み込む |
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※NANAOのFlexScan77Fのモニタプロファイルは、インターネットのNANAOのホームページからダウンロードできます。ここで入手したプロファイルを初期設定フォルダにある[ColorSync
Profiles]にいれて、コントロールパネルの[ColorSync System Profile]でモニタのプロファイルをセットします。後はPhotoshopを起動すれば、自動的にセットしたプロファイルが選択されるはずです。この方法ではPhotoshop3.0Jではうまくいきましたが、4.0Jでは認識できなかったので、3.0Jで一旦読み込み、その設定を書き出したものを4.0Jで読み込みました。 |
●プロファイルを読み込むとモニタの設定が変わる |
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●プロファイルないときは座標値を入力する |
◎[白色点(色温度)]のカスタム入力ボックス |
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◎[RGB色度座標]のカスタム入力ボックス |
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●色分解フォルダにある[色校正用標準画像]を使う |
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※Photoshop4.0Jのフォルダの各種ファイルの中にキャリブレーションというフォルダがあります。このフォルダに色分解というフォルダがあり、[色校正用標準画像]というファイルがあります。このCMYKモードを表示させ、Photoshop4.0Jのマニュアルの90頁にある[色校正用標準画像]を印刷したものを見て、キャリブレーションを計ることもできます。
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