考えてみると、長い間、出版社さんから依頼を受けて本を書くことはありませんでした。それで自分で書いたものを自分で本にしていたからでですね。300ページくらいのものを書くのはたいへんというのがあって、私の方から出版社さんに売り込みに行くことはありませんでした。
ただ、自分で書いたものをベースにしてちゃんと書店に並ぶような本にしたいという気持ちはもっていました。最初から300ページ書くのはたいへんだけど、100ページくらいベースがあって、それを膨らませるのであればそれほどではないかもしれないと思うからですね。
Acrobat 5.0が出たときに、それまでAcrobat 4.0で書いていた二冊の本をすぐさま書き直す必要性はあまり感じていませんでした。というのは、バージョンアップで大きな機能の追加はあるように思えなかったからです。少なくともDTPという視点からではないようにおもいますね。
5.0になって追加された機能、便利な機能をおいおい調べていこうとは思ってはいましたが、急ぐ気持ちはあまりありません。あのころはMac
OS XとかInDesignの方が面白かったからでしょうね。
もちろんまったく書き直したくなかったわけではありませんよ。PDFを扱うにおいて、一番理解して欲しいものは、ジョブオプションの設定ではないかと思っていたので、その部分の詳細な解説しなければならないと感じていたのも本当です。
そういうところに執筆の依頼が来ました。最初はAcrobat本ではなく、Mac OS XとDTPについての本の依頼でした。が、その話はいつの間にか消えていて、Acrobat
5.0の本を書くという話になっていました。メールのログをみるとその件についてははっきりしないまま、Acrobat 5.0の本の話になっているので、おそらく電話でやりとりしたのかなというところですね。
どちらかというと、埋め込み講座と使いこなし読本の二冊を合本してAcrobat 5.0で書き直す方が簡単で書き上げるのも早いというのが、私の気持ちの中にありまして、そういう話を伝えたところ、Acrobat
5.0本になったというのが本当のところでしょう。これがだいたい昨年の6月くらいのことです。正直言うと、昨年のあの時点では、Mac
OS XとDTPの本はすこし時期尚早という感じがしないでもありませんね。すくなくとも、今年のPhotoshopの新しいバージョンが出ると、もう少し身近に感じるというところでしょうか。