Adobe Illustrator(イラストレーター) 使い方と出力講座:透明効果からPDF保存、Illustrator CS3まで
Adobe Illustrator使い方と出力講座:透明効果からPDF保存、Illustrator CSまで

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第7章 印刷のためのアートワーク環境



■7-7 出力解像度

 出力解像度はIllustratorの線の属性の一つです。どのような出力機で出力しようとも、出力解像度の設定を上限として出力されます。

 出力解像度の設定は<ファイルメニュー>の[書類設定]で行います。書類設定を開くと出力解像度の入力ボックスがあります。初期設定値は800dpiなので、普通は800dpiになっています。これは800dpiの解像度であれば、線の出力については通常の印刷物では問題がないであろうということで設定されています。この初期設定のまま出力すると、2400dpiの出力機でも線の解像度は800dpiで出力されてしまいます。800dpi以下の出力機の場合、たとえば600dpiのレーザープリンタで出力すると600dpiが最大解像度となります。

 初期設定値の800dpiを変更して大きな数値を入力すると、印字はきれいになります。たとえば0.3ポイントの線を引くとします。0.3ポイントの線は(1ポイント=2.54mm/72dpi=約0.3528mm)×0.3=0.1058mmなので、800dpi(1ドット=0.0318mm)だと3ドッド(0.0953mm)ですが、2400dpi(1ドット=0.01058mm)だと10ドット(0.1058mm)になります。出力解像度が高くなればなるほど線幅は正確になります。特に斜線や曲線はジャギーがでるので解像度が高いほうが正確に線幅を印刷できます。しかし人間の見た目ではほとんど判別がつかないうえ、ラスタライズに時間がかかり、PostScriptエラーの可能性も高くなります。特別の場合をのぞいて、入力値を上げる必要はないと言えます。

 出力解像度は書類設定の入力値によって決まるので、入力値を設定しない限り、800dpiになります。アートワーク作業中に入力値を変更しても、すでに書いた線は以前の入力値のままです。変更後に書いた線より新しい出力解像度が適用されます。これを変更するには、新規書類の作成時に書類設定で出力解像度の入力値を変更することになります。すでに書き終わった線の出力解像度を変更するには<オブジェクトメニュー>の[属性]のダイヤログを開いて設定し直します。変更したいオブジェクトを選択し、属性のダイヤログの出力解像度の設定を変更すると線の出力解像度の属性が変わります。


※初期設定値は800dpi
Illustrator3.2Jの出力解像度の初期設定は600dpiでした。


●直径0.27mm/線0.1ポイントの出力解像度の違いをみる

●<ファイルメニュー>の[書類設定]を開く

●<オブジェクトメニュー>の[属性]を開く


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