■7-2　フォントを調べる

　Illustratorで作成したアートワークデータを別のMacintoshで出力する場合、使用したフォントがなければWISYWIGの出力はできません。PostScriptのデータ出力ためには、欧文フォント※がプリンタもしくはアウトラインフォントをインストールしたシステムが必要で、日本語フォントはプリンタにフォントを搭載していなければなりません。

　データの受渡を行う場合、使用フォントは必ず申し伝えなければなりません。出力センターの出力依頼書には使用フォントに記入欄が必ず記載されています。作成時と同じフォントがRIPに搭載されていなければ同じ出力は期待できないからです。

　Illustratorが3.2Jのとき、使用フォントを調べるのは簡単でした。＜文字メニュー＞のなかの[フォント]のサブメニューを開くと、そのときのIllustratorが使用しているフォントが一覧できました。5.0Jではフォントはデスクトップメニューに移り、システムに搭載されているフォントがポップアップされるようになったため、使用フォントだけを表示することはできなくなりました。

　多くのフォントを使用している場合、使用フォントを確認するのは手間のかかる作業です。アートワークに何度も手を入れている場合、フォントが入れ乱れ、作成者ですら分からなくなってしまう場合があります。特に他者の作成したデータには、フォントの申告があってもかならずしも正確とは限りませんし、見た目に使用していなくともテキストポイントのみが残っていることも考えられます。

　5.0Jで作成したデータのフォントを確認する最も簡単に方法は、Separatorでファイルを開くことです。＜ファイルメニュー＞より[情報]のダイヤログを開くと使用フォントや画像データのリストが現れます。このときEPS形式でないとアラートボックスがでますが、必ずしもEPS形式で保存する必要はありません。外部で作成されたデータのフォントを確認するには一番確実な方法です。

　また、Illustratorはシステムに搭載されていないフォントのあるアートワークを開くとき、警告のダイヤログが現れます。この場合画面表示は正しく行われませんが、フォントデータは保持されるので、最終の出力機に搭載されていれば、出力には差し障りがありません。