Adobe Illustrator(イラストレーター) 使い方と出力講座:透明効果からPDF保存、Illustrator CS3まで
Adobe Illustrator使い方と出力講座:透明効果からPDF保存、Illustrator CSまで

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第7章 印刷のためのアートワーク環境



■7-1 デジタルデータの入稿

 デジタルで版下を作成する場合には、指定原稿で入稿する場合と、データで入稿する場合があります。指定原稿を受け取りデータを作成する場合は、作成時に使用するフォントの確認ができていれば、フィルム出力時にはほとんど問題がありません。もしデジタル化されていない写植の書体を指定してきた場合は、それに近い他のデジタルフォントに差し替える旨を伝えます。どうしてもこだわる場合は写植のバラ打ちを製版時に嵌め込むかその文字をトレースするかしないといけないので、コストがアップすることを伝える必要があります。

 デジタルデータで版下入稿を行う場合、データは大きくいって二つに分けることができます。一つはそのまま出力できる完全データであり、もう一つは手を加えなければならない不完全データです。不完全データも出力のために手を加えないといけない場合と、印刷のために手を加えないといけない場合の二種類があります。

 データで入稿する場合の注意点がいくつかあります。まずフォントについては同じものを搭載していることが不可欠です。日本語フォントは書体数もそれほど多くないので分かりやすいと言えますが、欧文フォントの場合、同じ名称でTrueTypeフォントがあったり、バージョン違いで出力結果が異なったりすることもあるので、確実でなければフォントファイルも必要になります。つぎにトンボが付けられているのかを確認します。トンボが付けられていなければ、仕上がりを確認しトンボを付けます。

 また、多色刷りの場合、トラッピングをどうするのかの判断が必要です。ケヌキ合わせの部分があるかどうかをチェックし、もしあれば、トラップ処理をどうするのがを決めなくてはなりません。カラー印刷で分版する場合は、スミ文字(ベタ)のオーバープリントをアートワーク上で行うのか、出力時に行うのかを判断します。それ以外に図面や作表をある場合には、線幅にも注意が必要です。元図から縮小して貼り込んである場合は、線幅が細くなっている場合があります。線幅によっては出力しても印刷されない場合もあります。

 画像データを配置してある場合には、CMYKモードの確認と解像度、クリッピングパスの使用などもチェックします。


※文字をトレース
写植文字を使う場合、トレースするか画像データとして貼り込むしか方法はありませんが、こういうことをしているとDTPのメリットがほとんど失われてしまうので、こだわる場合のデメリットを明確に伝えなくてはなりません。

※データ入稿の注意点
印刷に必要なデータの作り方について制作担当者にきちんと伝えていくと、そのうち不完全データも完全データになっていきます。


●DTP入稿のパターン

●Illustratorでデータ入稿する際のチェックポイント


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