Adobe Illustrator(イラストレーター) 使い方と出力講座:透明効果からPDF保存、Illustrator CS3まで
Adobe Illustrator使い方と出力講座:透明効果からPDF保存、Illustrator CSまで

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第4章 フォントエキスパートを目指せ!



■4-4 TrueTypeは使えない

 IllustratorをDTPで使うためには、フォントはすべてPostScriptフォントを使わなければなりません。

 Macintoshで使用するアウトラインフォントにはPostScript以外にTrueTypeがあります。これは、Appleが音頭を取って開発したフォントの仕様です。アウトラインフォントとしてPostScriptとTrueTypeの異なる点は、PostScriptがベジェ曲線で曲線を制御し、TrueTypeがBスプライン曲線を使っていることぐらいで、画面表示上はほとんど差がありません。どちらにしても文字のアウトラインをポイントで繋ぎ、ポイントからポイントまでの線の曲がり具合を関数で保持しています。PostScriptはATMを使わないとアウトラインで画面表示ができませんが、TrueTypeはMacintoshのシステムのTrueTypeラスタライザとQuickDrawだけでアウトライン表示が可能です。 TrueTypeがなぜDTPで使えないかというと、TrueTypeが印刷にたえうる高解像度で出力できないからです。

 TrueTypeはRIPの展開をMacintosh内で行います。Bスプラインの関数式に基づいてドッドイメージを計算します。PostScriptの場合、RIPはプリンタ側の高速のCPU(ほとんどがRISCチップ)を用いて行っていますが、TrueTypeはMacintoshのCPUで処理するわけです。これは、Macintoshにとっては大変負担なことです。同じ文字量で同じ解像度で比較するとフォントを搭載したPostScriptプリンタの方が断然早く印刷できます。解像度が上がれば上がるほどラスタライジングに要する計算量は増えます。MacintoshでRIP展開する以上、TrueTypeの解像度は制限せざるを得ません。

 一般的にQuickDrawプリンタの解像度は上限が600dpi程度なので、TrueTypeは601dpi以上はプロテクトがかかっています。600dpiでは簡易印刷ならば版下に使えなくはないのですが、オフセット印刷には到底使えません。イメージセッタで文字だけの印画紙出力でも、1200dpiが必要ですから、TrueTypeでは高級印刷は不可能です。DTPで簡易印刷の版下しか作成しないのならともかく、実際には印画紙出力やフィルム出力も可能なのがDTPのメリットの一つですから、両者を混在した状態でのシステムの運用は混乱を招くばかりでしょう。


※TrueTypeのRIP展開
イメージセッタでもTrueTypeを出力できるものもあります。これは、PostScriptと同様にイメージセッタに搭載してある高解像度フォントに擦り替えてラスタライジングするものです。イメージセッタでは一般的ではありません。

※解像度の上限
TrueTypeの解像度はプリンタドライバによって決まります。 QuickDrawプリンタで600dpi以上のプリンタは、プリンタ側で補正をかけて600dpi以上の品質を作りだしています。QuickDrawプリンタでの出力はATMも600dpiが上限です。


●スーツケースの中のTrueTypeフォント
※TrueTypeフォントはスーツケースフォントに収められています。PostScriptとは異なりビットマップフォントとアウトラインフォントは一つになっています。別にビットマップフォントを追加することもあるようです。
●PostScriptとTrueTypeのアンカーポイント
◎平成明朝W3 PostScriptのアンカーポイント

◎平成明朝W3 TrueTypeのアンカーポイント
※ベジェ曲線よりBスプライン曲線の方が、計算式が単純で、アウトラインの生成速度は早いといわれています。しかしその分だけスプライン曲線の自由度が低く、ポイント数も増えるため、フォントの容量も大きくなります。アウトライン化するとTureTypeのBスプラインは、ベジェ曲線に変換されますが、ポイント数は変わらないのでデータ量はPostScriptに比較すると増加します。



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