Adobe Illustrator(イラストレーター) 使い方と出力講座:透明効果からPDF保存、Illustrator CS3まで
Adobe Illustrator使い方と出力講座:透明効果からPDF保存、Illustrator CSまで

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第1章 Macintosh、Macintosh



■1-5 QuickDrawとVRAM

 QuickDrawはMacintoshがモニタ上に描画表示するためのプログラムです。CPUから転送されたデータをPICT形式でビットマップ化し、モニタに映し出します。

 コンピュータは入力があるとプログラムに基づいて計算し出力します。入力はキーボードやマウス、タブレットなどで行いますが、入力されたデータによって決められた手順で新たなデータが作成されます。データはアプリケーションのデータだけでなく、同時にモニタやオーディオのデータが作成され出力されます。このモニタに出力するデータを受け取り、画面の中のどのピクセルをRGBのどの色でどのくらいの階調で表示するためのデータを作成し、描画するためのプログラムがQuickDrawです。

 モニタへの出力は原則として72ppiなので、たとえば16〜17インチで832×624ピクセルのモニタの場合、全ピクセル数は519,168ピクセルとなります。インデックスカラー(256色)の表示だと1ピクセルに対して1バイトの割り当てになるので、表示データだけで519,168バイト、つまり507KB必要になります。フルカラーは3バイト(RGB各色1バイト=24ビット)なので、1,557,504=約1.6MBのデータ容量になります。QuickDrawは画面のサイズや表示モードに合わせてデータをラスタライズしていきます。ラスタライズされたデータはVRAMに一旦蓄えられ、その後モニタに表示されます。

 文字の描画は、スーツケース内のビットマップフォントが参照されます。しかし、PostScriptフォントでアウトラインデータがあれば、ATMがアウトラインデータを表示サイズに合わせてラスタライズし、QuickDrawに転送します。TrueTypeフォントの場合はシステム内のTrueTypeラスタライザがBスプラインのアウトラインデータをビットマップ化とます。

 内蔵ビデオ回路の描画能力だけではフルカラーや大画面の表示は手に余るので、現在のMacintoshにはほとんどビデオカードが搭載されています。そしてビデオカード上にVRAMがセットされています。ビデオカードやグラフィックアクセラレータにVRAMの空きスロットがあるとVRAMを増設できるので、より大きな画面サイズやより階調深度のある表示モードを使用することができるようになります。


※フルカラーは3バイト
32,768色表示は1ピクセル当たり16ビットを割り当てます。しかし16ビットをRGB各色に割り当てると1色につき5ビットになるので5ビット(32階調)×3色で32,768色になります。



●モニタの表示に要するVRAMの容量

モニタサイズ
ピクセル数
インデックスカラー
8ビット
256色
16ビット
32,768色
フルカラー
24ビット
16,777,216色
13〜15
640×480
300KB
600KB
900KB
16〜17
832×624
507KB
1014KB
1521KB
19
1024×768
768KB
1536KB
2004KB
20〜21
1152×870
979KB
1958KB
2937KB
1600×1200
1875KB
3750KB
5625KB

※1MB=1024KBなのでMB単位にする場合は、1024で割ればよいことになります。ただしフルカラーの場合、ビデオボードによっては1ドットに24ビットではなく、32ビットを割り当てることもあります。これらのビデオボードの場合、フルカラー表示のためには、1.33倍のVRAMの搭載が必要となります。



●QuickDrawで表示するまで




※Illustratorでは描画をIllustrator自身が行うので、アートワークの表示はQuickDrawを素通りします。



◆モニタの表示にメインメモリを代用するDRAMベース
MacintoshのなかにはVRAMを持たずにモニタに表示する機種があります。かつての2ciや2viといった機種で、これらはモニタの表示のためにVRAMの代わりにメインメモリのRAMを借用するものです。このシステムはVRAMがいらないため、ローコストで製造できるメリットがありましたが、システムバスを流用するので全体の処理時間に悪影響があり、処理速度の低下は避けられませんでした。PowerPC601のPower MacintoshにはこのDRAMベースが標準で採用されています。PowerPCの場合、処理速度が速いので、システムにはほとんど影響がないようです。それでもアプリケーションがエミュレーションで動作する場合の速度の低下は避けられないようです。Power Macintosh上位機種にはPowerPC601PDSにAVカードもしくはVCカードが搭載されているので、二台のモニタを繋ぐことが可能となります。


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