■0-8　営業マンにもMacintoshを
　営業マンがIllustratorを覚えるためには、何が必要でしょうか。何にも優先してMacintoshは必要です。それも専用の物が必要です。

　Macintoshは以前に比べて大変安くなりました。営業マンひとりに一台の導入であってもそれほど大きな負担ではない筈です。ひとりの営業マンにかかる人件費や経費と対比すると、大きな金額ではなくなっています。そして、Macintoshは原則として専用にすべきです。兼用で責任所在のあいまいな機械は誰にも顧みられることはありません。専用にすることで、営業自身がデータの修正を行い、場合によっては簡単なデータの作成を行うことできます。そうしてMacintoshに慣れ親しんでいくうちに、DTPの何たるかを肌で理解できるようになれます。

　むろん、ただただMacintoshを営業マンに付ければいいというわけではありません。しかし、Macintoshの操作ができなければ営業マンは、データ入稿については単なるメッセンジャーボーイになってしまうのです。メッセンジャーボーイ化させないためには、何時でもMacintoshを使えるという環境が必要なのです。Macintoshを操作していくうちに、Macintoshそのものの構造、DTPシステムの仕組み、データ作成の方法、出力環境での注意点が身に付いていくのです。

　営業マンのなかには未だにキーボードアレルギーの営業マンもいることでしょう。いくら説明してもデジタル化を受け入れることのできない、固まってしまった営業マンもいるかも知れません。しかしその人達に無理矢理デジタル化を図っても、無駄なことです。デジタル化に関心のある営業マンからでも、Macintoshを与えていくべきではないでしょうか。Illustratorを使いこなせるようになれば、どのようなデータであっても的確に判断して処理できるようになれます。QuarkXPressやPageMakerなどのページレイアウトソフトも解るようになります。

　この本｢Adobe Illustrator お茶の子サイサイ｣は営業マンが覚えるべきIllustratorとその関連の知識と、覚えたほうがよいであろう知識からなっています。この本の中にあることが営業マン自身ができなくても、Illustratorの使い方はこうするとか、あるいはこのようなことができるのだということを中心に、できるだけわかりやすく述べたつもりです。

　Macintoshそのものの説明から始まって、DTPシステムの概要、そしてIllustratorだけでなくIllustratorを使う上で必要となる関連のソフトやハードの仕組みにについても、十分に説明してあります。構成は一項目見開き二ページとし、辞典的にも使えるように配慮しました。この本の中にある内容を十分に理解できれば、営業マンはどのようなデジタルの入稿であっても、戸惑うことはないことでしょう。自信をもってDTPの最前線で活躍できる営業マンになれる筈です。