Adobe Illustrator(イラストレーター) 使い方と出力講座:透明効果からPDF保存、Illustrator CS3まで
Adobe Illustrator使い方と出力講座:透明効果からPDF保存、Illustrator CSまで

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▼序章 DTPとデジタル営業



■0-3 進化するハードウェア

 ハードウェアの進化はMacintoshのみならず全ての周辺機器に及んでいます。ほとんどのデバイスがテレビやビデオの家電製品の如く、新機種が発売されると大幅にスペックを向上させ、価格はそのままか引き下げられています。ハードディスクなどの高密度ストレージの1MBあたりの単価は、この数年で一体何十分の一になったことか、すざまじい勢いで低価格化しています。これは当然開発元や製造元の企業努力のなせる技ですが、それだけでなく、ここ数年で普及率が格段に上がったことを示しています。コンピュータとその周辺機器がいま本格的に職場や家庭に浸透しつつありことを物語っているのです。需要が飛躍して増大しないことには、ここまで技術は進歩せず、価格も下がらなかったに違いありません。以前はMacintoshも「仏壇Mac」と揶揄されましたが、いまは「仏壇Mac」と呼ばれるとしたら、PlusやSEなどの骨董的価値をもつMacintoshぐらいでしょう。

 具体的にいうとスキャナでは、ローエンドでも各10色ビット入力できるものが主流となりつつあり、場合によってはローエンドのスキャナでもオフセットのカラー印刷の使えるぐらいに読取り品質は向上しています。ハイエンドのスキャナもCCDを応用してスキャンニングする技術がレベルアップし、従来のマルチフォトプライヤ方式のドラムスキャナと比肩できるダイナミックレンジが確保できるようになっています。しかも従来のドラムスキャナに比べると価格帯が一桁違っています。

 モノクロの出力機はPostScriptプリンタが全盛です。出力サイズはA3サイズが標準となり、中にはA3でトンボを打てるようにA3ノビサイズのプリンタも出現しています。また、プリンタの解像度は600dpi〜1200dpiが標準となり、モノクロプリンタの出力でも軽印刷であれば十分な品質を確保しています。インタープリタもPostScript Level2が当たり前となり、以前多かったPostScriptエラーは激減しました。カラープリンタは業務用ではPostScript対応の昇華型プリンタが主流です。これらは価格的には大きな変化は見せていませんが、昇華型プリンタなどの高品位のカラープリンタで色校正の代用とする動きもあります。またカラーのQuickDrawプリンタが、インクジェット方式を中心としてパーソナルユースをターゲットに低価格で市場に投入され、出力に時間がかかるものの、スモールオフィスでもカラーの出力環境が容易になってきています。

 イメージセッタの業界も参入する企業が多くなり、激戦地区となっています。当初はA3にトンボを付けるサイズの出力が主流でしたが、最近のものはA2やB2サイズの出力機がスタンダードになりつつあります。A3サイズのものは低価格化し、一千万円を切っています。イメージセッタの販売元をたどればCTSのメーカーもあれば、CEPSのメーカーもあり、印材のメーカーもありますが、高品位出力機はフィルム出力からPS版出力への移行が叫ばれるなか、さらに参入が増える勢いです。

 デジタル化はPrepressの分野がその舞台でしたが、とうとう印刷そのものもデジタル化が具体化してきつつあります。かつてHEIDELBERG PMTがGTO-DIでデジタルプリンティングを実現したとき、大きな話題にはなりましたが、印刷品質の点で日本では受けいられることにはなりませんでした。しかしさらにIndigoのE-printが世間の耳目を集め、HEIDELBERG PMTがQuickMasterを発表するに至ってより現実のものとなりました。欧米に比べると日本ではまだまだデジタル化の比率が低いため、いましばらく時間がかかるものの、いずれ印刷がフルデジタルになることは疑う余地はありません。
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