Adobe Illustrator(イラストレーター) 使い方と出力講座:透明効果からPDF保存、Illustrator CS3まで
Adobe Illustrator使い方と出力講座:透明効果からPDF保存、Illustrator CSまで

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Illustrator 8.0 大解剖

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▼第二回 Photoshopとの関係



■9 Photoshop形式への書き出し


 Illustrator 8.0とPhotoshop 5.0の連係プレーでもっとも相性の良さを示しているのが「Photoshop 5」での書き出しでしょう。「Photoshop 5」で書き出すと、Illustrator 8.0上でのレイヤーをそのままPhotoshop 5.0に反映できるのです。

 この機能を使う意味は、Illustrator 8.0で作成したイラストをPhotoshopで加工する場合などにあります。ラフスケッチはIllustratorで行ない、ディテールを描き込んだり、フィルタなどで加工するときにPhotoshopで行なうときに大変便利なものです。

 いままであれば、レイヤーごとに別ファイルを作成し、それを一つひとつPhotoshopで読み込んで合成するしかなかったのですが、レイヤー情報を書き出すことで、そういう手間がなくなりました。

 したがってIllustrator 8.0のレイヤーは、「Photoshop 5」形式で書き出す際に、「レイヤーを保持」というチェックをすることでレイヤーをそのまま、Photoshop 5.0に移行できます。移行されたレイヤーは新規のレイヤーとしてレイヤーパレットに表示されます。

 IllustratorでCMYKで作成されたデータをそのままPhotoshopに持ってくると、多少カラーバランスが変わるようです。Photoshop 5.0からは、モニタのプロファイル設定に左右されないようになっている筈なので、Photoshopの設定に起因するものではなさそうです。Photoshop 5.0の[カラー設定]の[プロファイル設定]を全てなしにしても、何かのプロファイルを設定をしても、同じようにカラーバランスは変化するのでおそらくIllustrator 8.0の書き出し時の設定に因るものだと考えられます。もっともそれほど大きな数値ではなく、ほとんど見分けがつかない程度ですが、Illustratorで指定したと完全に同じものにはなりません。

※Illustrator 8.0で「Photoshop 5」形式にしてレイヤーを書き出します。そのファイルをそのままPhotoshopで開くと、Illustrator 8.0のレイヤーはそのままPhotoshop 5.0のレイヤーになります。


※Illustratorのカラー指定とそれをPhotoshopで開いたときのカラー情報。すこしだけカラーバランスが違っています。

 これらは、Illustrator 8.0の[カラー設定]のプリンタプロファイルでの設定に基づき、Illustrator 8.0がビットマップ化している筈です。CMYKデータをピクセルの数値に変換する際に、いくらかの誤差が生まれていると考えたほうが理に適っています。いずれにしても、Illustrator 8.0のプリンタプロファイルは変更できないので、「Photoshop 5」形式で書き出すCMYK値は書き出すときにはコントロールできないようです。

 「Photoshop 5」形式で書き出したとき、テキストで入力されたフォントはどのようになるのでしょうか。これはラスタライズされてビットマップデータになってしまいます。Photoshop 5.0からは、文字レイヤーによってPhotoshopのデータ上にテキストを入力できるようになりましたが、Illustrator 8.0のテキストを文字レイヤーとして取り込むことはできないようです。もちろんこれはIllustrator 8.0がテキストをラスタライズしているためです。
※テキスト部分を拡大したもの。ビットマップ化されてアンチエイリアスがかかっています。

 またIllustrator 8.0に追加されたグラデーションをPhotoshopでそのまま開くためには、Photoshop 5.0を5.0.2にバージョンアップする必要があります。5.0でグラデーションメッシュをPhotoshopに持ってくるためには、あらかじめグラデーションメッシュをビットマップデータに変換しておけば問題ありません。


このコンテンツは1998年12月10日〜2000年4月19日に書かれたものです。





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