Illustratorのグラフィックスタイルライブラリには、200以上のスタイルが登録されています。登録されたグラフィックスタイルには「RGB」と表記されたものがいくつかあります。Illustrator CS3とIllustrator CS4に共通するものとしては
アーティスティック効果 10
テクスチャ 27
があります。
あえてスタイル名に追記された「RGB」の意味は、ドキュメントのカラーモードがRGBで作成されたという意味でしょう。RGBモードのときに正しく表示されるわけです。
それではCMYKでは使えないのでしょうか。CMYKモードのドキュメントであっても、これらのRGB名のグラフィックスタイルを適用することができます。ただし、少し問題があります。問題というのは、RGBモードで適用したときと、CMYKモードでオブジェクトに適用したとき、アピアランス(見え方)が異なってしまうのです。
たとえば、アーティスティック効果にある最初の6つグラフィックスタイルをRGBとCMYKで比較してみます。RGBでグラフィックスタイルを適用したものを2つ並べます。左側のオブジェクトのアピアランスを分割し、ファイルメニューの[ドキュメントのカラーモード]でCMYKに変換します。ここでは
RGBアートペーパー
RGB色鉛筆(レッド)
RGBガッシュ
RGBインクの塗り
は左側のオブジェクトと比較すると、明らかにアピアランスが変わっています。これはどういうことでしょうか。とくに「RGB色鉛筆(レッド)」は全く異なったグラフィックスタイルではないかと思うぐらいに、アピアランスが変貌しています。
↓
※CMYKではPhotoshopフィルターは適用できませんが、グラフィックスタイル内のPhotoshopフィルターは開いて編集することができます。なお「RGB」グラフィックスタイルのすべてが、Photoshopフィルターが使われている分けではありません。
CMYKに変換したとき、アピアランスが大きく変貌するグラフィックスタイルの原因はどのようなものでしょうか。CMYKで利用できないRGBカラーが使われているときは、表示されるカラーが変わってしまうことがありますが、グラフィックスタイルの効果まで変貌するわけではありません。
アピアランスが大きく変貌する原因は
Photoshopフィルター
です。効果メニューのPhotoshopフィルターはPhotoshopにあるフィルターをIllustratorに搭載したものです。Illustrator CS2から搭載された機能です。「RGB色鉛筆(レッド)」では「ストローク(スプレー)」というPhotoshopフィルターがグラフィックスタイルに使われています。
PhotoshopフィルターはCMYKでは使えません。RGBモードのみのフィルターです。したがって本来であれば、CMYKオブジェクトにはPhotoshopフィルターは適用されませんが、グラフィックスタイルに含まれていると強制的に適用するようです。
内部的に一旦RGBに変換してフィルターを適用し、CMYKに戻しているのしょうか。詳しいステップはわかりません。いずれにしても、Photoshopフィルターを適用すると、適用された結果がCMYKとRGBでは同じものにはなりません。
したがって、「RGB」という名前を持つグラフィックスタイルを適用するときは、アピアランスでPhotoshopフィルターが使われているかどうかを確認しましょう。もし思った通りの結果が得られない場合は、RGBモードで適用してみて、その結果を確認してから使う方がいいでしょう。
さて、Photoshopフィルターを使ったグラフィックスタイルを使うときは、もう一つ注意したいことがあります。(続く)
◆続きはこちらから[DTP-S倶楽部ブログ─要DTP-S倶楽部パスワード]
http://dtp-s.seesaa.net/article/129720107.html
◆DTP-S倶楽部のご入会はこちらから
http://www.incunabula.co.jp/dtp-s/club/club.html
◆Illustrator CS/CS2/CS3/CS4入稿データ作成講座[インクナブラ]
http://www.incunabula.co.jp/book/IllustCS1_4/
|