■QuickDrawアプリケーションフォントデータは含めない
DTPソフト以外のアプリケーションソフトでの、フォントの埋め込みはどのような特徴があるでしょうか。
基本的には、埋め込み許可されたCIDフォントはDistillerの機能で、埋め込むことができますが、それ以外は埋め込みができません。PPDファイルに[Acrobat
Distiller J]を選択し、PostScriptファイルを書き出して、Distiller 4.0でPDFを作成すると、CIDフォントは埋め込みができます。
●Microsoft Word98で作成したドキュメント |
|
※上からTrueType、埋め込み許可されたCID、PostScript
OCFフォント。
●Distillerでフォントの埋め込みを指定したPDF |
|
|
※上からTrueType、埋め込み許可されたCID、PostScript
OCFフォント。埋め込み許可されたCIDのみが埋め込まれている。
ひとつだけ注意しなければならないことは、PostScriptファイル保存のオプションで[フォントデータ]で[すべてを含める]を指定しないことです。ここは本来欧文フォントファイルをPostScriptファイルに含めるかどうかを指定するオプションですが、どのプリンタドライバでもここで[すべてを含める]にすると、日本語フォントはラスタライズされて、画像データになってしまいます。
●AdobePS 8.6の[フォントデータ]で[すべてを含める] |
|
※[フォントデータ]で[すべてを含める]をフォントは画像になる。Word98では[仮想プリンタ]や[Adobe
PDFの作成]を選択すると、フリーズすることがあるので、一旦プリンタのPPDファイルを指定して、PostScriptファイルを書き出してからDistillerするほうがよい。
●PSPrinter 8.3.2Jで[フォントデータ]で[すべてを含める] |
|
※PSPrinter 8.3.2Jではファイル保存を選択したときの保存ダイアログで、[フォントデータ]を指定する。ここで[すべてを含める]と、フォントはすべて画像になる。
●[すべてを含める]作成されたPDFのショット |
|
|
|
※Wordから作成されたPDFの全体のショット。一部を800%で拡大したものがそのつぎのショットで、拡大するとジャギーにアンチエイリアスがかけられている。その下が[すべてを含める]作成されたPDFの拡大で、アンチエイリアスはかけられていない。このPDFをIllustrator
8.0で開いて画像データの解像度を見ると約300dpiになっている。
●文書情報の[フォント]を開くと |
|
※フォント情報を開くと、すべてのフォントが画像になっているので、フォントは認識されない。 |