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第七回 やっぱり欲しいSCSIカード

 New G3からSCSIが標準仕様から外された。SCSIが外された理由はいろいろあるにしても、最大の理由は、あまりに古びてしまった仕様にあると言わざるを得ない。まだまだ現役で使えるにしても、将来性を考えると、廃棄するしかないと言うことだろう。
 Macintoshの将来性を考えると、SCSIからFireWireに大容量データ転送の仕組みを置き換えていくためには、ドラスチィックにSCSI端子を廃棄するという、いわばデモンストレーション的な意思表示が必要になる。それほどSCSIインターフェースは浸透している。
 DTPをするためにはいまのところSCSI端子は必要だ。従ってプリセットされていなくても、使えるようにするしかない。むかしと違ってMacintoshのSCSIカードも安くなったので、取りあえずSCSIカードを買ってきて取付ければよい。PCIバスに差し込むカードは、アダプテック・ジャパンやラトック・システムの安価なSCSIカードで十分だろう。
 New G3でも最速のマシンでは最初からSCSIカードがついているが、これはUltra Wide 2 の規格なので通常のUltra SCSIのデバイスは使えない。そのうえ最速マシンのUltra Wide 2 SCSIはLHAの規格に則ったデバイスに限定されるうえ、LHAのデバイスはいまのところほんんどない。最速マシンにセットされたSCSIカードはDTPでは実質的には役に立ちそうにない。
 さて、SCSIカードがあればそれで済むのかというと、必ずしもそうではない。今販売されているSCSIカードの安価なものは、Ultra SCSIタイプのもので、これらはハードディスクやMOドライブといった外部記憶装置ではほぼ問題なく使用できるが、一般のフラットベットタイプのスキャナでは、たいていがSCSIカードの拡張バスに対応していない。ラトック・システムのREX-PCI30Pのカタログには、「TWAIN対応のスキャナドライバが拡張バスに未対応のため」とあるが、低価格のフラットベットスキャナはたいていが「TWAIN対応」であるため、まず使えないと考えられる。(ただし最近はSCSI-1に対応した25ピンの端子を持つカードも販売されている)
 そのため、いままでのスキャナを使うためには、いままで標準で付属していたSCSI-1のポートに接続するしかない。つまり旧型のMacintoshが必要ということになる。もっともスキャナについては、New G3であれば、USB仕様のものを接続するという選択肢もある。ただしその場合は、USBスキャナは旧型のMacintoshではそのままでは使えない。
 ちなみに、SCSIカードはもともとPower Macintosh 7600/120にUltra SCSIをセットして、ハードディスクだけでも高速にしようと思い、購入したものだ。7600にはインターウェアのBooster750/233が換装されていて、それにREX-PCI30Pを差し込んだところ、ブートしなくなった。カーソルが左上に現れたときに止まってしまうのだ。
 システムを読み込む前にブートが止まるので、ハードウェアの問題だと考えられる。REX-PCI30PとBooster750/233がぶつかっているとしか考えられない。
 しかし、インターウェアのページのサポート情報では、REX-PCI30PはBooster750/233上で動作するとされているので、差し込み方に問題があるのか、別の要因が重なっているのかも知れない。念のため、ラトック・システムに送って見てもらったが、問題はないとのことだった。
 というわけで、7600ではうまく使えなかったREX-PCI30Pだが、いまはNew G3にセットされ、そこからSCSI機器に接続されている。いまのところ接続しているのは、CD-Rのみだが、全く問題ない。またラトック・システムのページから、New G3でブートできるようするファームウェアをダウンロードし、ROMを書き換えた。
 最終的には外部インターフェースは、USBやFireWireに置き変わっていくだろう。やはりホットプラグの便利さを体感すると、SCSIの規格の古さが身にしみる。しかし、当面の間いまあるSCSI機器を接続しないということは考えられない。New G3を使う以上、SCSIカードの増設は仕方がないことだろう。
「DTP-Sウィークリーマガジン 第26号(1999/07/02)」掲載



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