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さて二台のMacintoshを一つのモニタで共有している私としては、当然キーボードも共有してスイッチ一つで簡単に切り換えたいと思うわけである。
古いMacintoshと新しいNew G3とでキーボードを共有する方法は二つある。一つはいままでどおりでADBポートを切り換えて接続するという方法で、この場合はADBの切り換え器とADBを接続したときシステムが認識できる機能拡張ファイルを用意すればよい。基本的にはキーボードは外した後もう一度つないでもうまく認識されず、反応が遅くなったりするので、結局再起動するしかなく、それを回避するためのユーティリティがいくつか出回っている。もっとも私は使っていない。
もう一つは、古いMacintoshのPCIバスにUSBカードを拡張して、USBでキーボードを共有する方法である。この場合、ホットプラグであるため、キーボードが認識されないということはない。
いまのところADBで共有するという選択肢がもっとも間違いないのだが、せっかくのUSBなので、キーボードの共有をUSBでやってみることにした。うまくいかないかも知れないが、試してみたくなったのである。
それで早速USBのカードを買ってきて、7600/120+Booster750のPCIバスにつないでみた。あわせてUSBの切り換え器も購入した。切り換え器は4ポートの切り換えできるものが5千円程度。USBカードは1万円前後である。キーボードはNew
G3に付属するものを使う。
まだまだ安くないUSBケーブルが余計に必要となるが、接続は簡単に終わる。New G3で入力してみる。問題なく動作する。当たり前か。次に7600/120に切り換える。まずモニタの全面の「INPUT」スイッチで7600/120がつながった「HD15」の入力に切り換え、続いてUSB切り換え端子も同じく7600/120のUSBカードにつながったポートに切り換える。おぉ、入力できるではないか。エディタで入力しても問題なく動作とするぞ。これは使えるかも知れない。
しかしそうは問屋が卸さなかった。残念ながら一部のキーが反応しないのだ。New G3のJISキーボードで「む」とか「ろ」と印字されたキーがまったく入力を受けつけない。私はシフトJIS時代のキーボードをしかもかな入力で使っているので「へ」とかが入力できなくなってしまう。やっぱり使えないのか。むむ、残念。
早速USBカードを販売していたベンダーのURLを探し当て、質問のメールを送る。 「USBカードでキーボードを接続して使うと、一部のキーが反応しないのですが、これはどうしてでしょうか」
返事は間もなくかえってきた。「当社のUSBカードはキーボードの配列の問題から、iMacやNew G3のキーボードには対応していません」と言うことだった。
ついでも厚かましくも同様の商品を発売している別のベンダーにも質問のメールを送った。ユーザーでないにも関わらず、すぐに返事がかえってきて、こちらは「USBのサポートにはアップルから供給されたUSBドライバを使用していて、これはUS仕様のため、一部でない文字があるはず」とのことだった。ひょっとすると「New
G3にあるUSBのドライバをコピーして使えば回避できるかも」とあったが、New G3のシステムにそれらしきUSBのドライバを見つけることができなかった。
この問題は「Macintoshニュース」でも触れられており、USBを使いながら、ADBポートにもキーボードを接続していると、システムはキーを認識するはずとあったが、そうしていても、残念ながら、認識されないのである。
ちなみに7600/120はUSBカードを使うため、Mac OS 8.5.1にアップデートした。USBカードは8.1以降で対応しているのだが、手元に8.1はなかったので、この際だと思い、システムをアップデートした。
というわけで、USBキーボード共有作戦は、完全には成功したとはいえない。一応ほとんど使えるが、7600/120で「へ」の文字入力だけは、隣においてあるADBキーボードから入力している。その場合だけ右手をひょいと伸ばさないといけないが、それ以外は、その都度キーボードを入れ替える手間を考えると、当面のあいだと割り切って我慢して使うしかない。
いまのところ、ADBで切り換えする方法もあるが、いずれUSBでの切り換えは普通になるに違いない。
これから、同時に扱うMacintoshの数が増えてきたとき、USBでのキーボード切り換えは楽になる。たとえばPowerBook増やすときでも、USBのケーブルをつないで、切り換えるだけで、キーボードのポジションは変える必要はない。
おそらく日本製のキーボードに対応したUSBのドライバがリリースされれば、古いMacintoshでの入力トラブルは解決する問題だと思うので、それまではキーボードをUSBでの切り換えで行なうしかあるまい。 |
「DTP-Sウィークリーマガジン 第25号(1999/06/15)」掲載
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