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第十一回 USBのハードディスクを使う

 本来低速のデバイスを統合するUSBだが、高速のデータ転送を要求するハードディスクやMOドライブ、CD-Rなどのデバイスも当たり前のようにUSB仕様で登場している。最速でも理論値で1.5MBしかないので、やはり心もとない部分がある。実際に高速のデバイスでの使用感はどのようなものだろか。
 多分データ転送速度は期待できないだろうが、それにも増してホットプラグの便利さが大きければ、使ってみる価値はあるだろう。というわけで、USBのハードディスクを買ってきて使ってみた。
 ちょうど外付けのハードディスクを買おうと思っていたのだ。取りあえずUltra SCSIの外付けハードディスクを買う予定にしていた。外付けでも4GB程度で2万円強というところか。容量のパフォーマンスだけでいうと、IDE仕様の内蔵ハードディスクが一番安いので、同じ値段であれば3〜4倍程度のディスク容量にはなるはずで、それにするというのも考えないでもなかったが、その場合は当たり前のことだがハードディスクを付け替えることができない。
 いまのところ2台のMacintoshをメインにしているのだが、そのときによって使っているマシンは違う。どちらか一方が塞がっているときは、もう一方を使うしかない。一番厄介なのは、メーラーを使うときで、2台で別々にメールを受信していると二重にメールを落とすことになる。
 それと、メールに添付するファイルや原稿、あるいはWebにアップするファイルなどもメーラーと同じマシンに置きたい。
 New G3-300と7600の2台の両方を切り替えて、メーラーとインターネットで必要とするファイルを使うためには、ホットプラグのハードディスクを使うしかない。それを考えるといまのところUSBしか選択肢はないのだ。
 もちろんホットプラグならFireWireの方がいいに決まっているが、まだまだFireWireのハードディスクは種類は多くないし、安くなったとはいえそれほど安くもない。そのうえ7600にはFireWireのポートはないのだ。しかしUSBのカードはもう既にささっているので、USBのハードディスクであれば、両方で使うことはすぐにできる。
 USB仕様のハードディスクは4GBのものが約3万円程度で、外付けのものより少し高い。多分中身はIDEのハードディスクで、USBをIDEに変換するコンバータがついているのだろうと思われる。
 USBのハードディスクを使うためには、機能拡張ファイルが二つほど必要になる。またOSはMac OS 8.5.1以上が推奨となっている。New G3-300がMac OS 8.6、7600はMac OS 8.5.1だからこれは問題ない。ついでながらシステムプロフィールを見ると、Mac OSの認識は、USBではなく、内蔵RAMの扱いになっている。
 準備ができてハードディスクをつなぐと、OSがハードディスクを初期化するか聞いてくるので、HFSにするかHFS+にするを選択するだけでよい。ちなみに買ったUSBのハードディスクにはペラ1枚の注意書きのようなものがあるだけで、あとは付属するCD-ROMのHTMLが説明書になっている。
 ホットプラグだから抜き差し自由かと思って、マウントしたままUSBのケーブルを抜いたら、アラートがでて怒られてしまった。ケーブルを抜く場合は、ハードディスクのアイコンをゴミ箱に捨ててから、抜かなければならないらしい。しかし一度抜くともう一度マウントするときはどうするのだろうか。やはりもう一度ケーブルを差し直すか、ハードディスクの電源をいれ直すしかないのだろうか。
 これでメーラーを丸ごとと、DTP-SのHTMLファイル一式といままで書いた原稿類やその資料、そしてセミナー等の関係ファイルは全てUSBハードディスクに移した。まだ多少の不安があるので、オリジナルのデータはできるだけデスクトップマシンのハードディスクにも残してある。それらのデータを削除して、内蔵ハードディスクのダイエットも目的の一つだから、いずれは削除しなければならない。
 さて速度の方はどうだろうか。実際のところUSBハードディスク上で、ARENAを起動すると、立ち上がりがかなり遅い。立ち上がってからはそれほどではないが、一呼吸おいてから読み込みが始まるような感じである。まあ、ある程度遅いのは仕方がないか。
 また最初にファイルを100MB単位でコピーしていると、途中でとまったりと動作が安定しないこともあった。原因はよく分からないが、いまのところは問題なく動作している。USBであってもノートン先生は効くので、定期的に手入れするしかないかもしれない。
 データ転送のスピードの方も計測してみた。MAC POWER10月号で、USBの640MBのMOドライブのテストがあったので、同じような条件でコピーして比較してみた。
 そこではNew G3-300の内蔵ハードディスクからUSBのMOドライバへの書き込みは35秒、反対に読み込みは19秒となっている。テストに使用したデータは1MB強のTIFFの画像ファイル7枚(7.5MB)となっていたので、同様のファイルを作成し、実験してみた。
 New G3-300からUSBハードディスクへの書き込みは18秒で、その反対の読み込みは16秒であった。読み書きともに1秒間に400KB強で、使えないほど遅くはない。テキスト形式中心のデータであれば、まず問題がない。USBのデータ転送の理論値、1.5MBから考えると、まあまあの結果だろう。
 多少の難点はなくはないが、それにしてもホットプラグは便利だ。歓迎すべきことかどうかは分からないが、USBのハードディスクを持ち帰り自宅のiMacにつなぐと自宅でも仕事ができてしまう。いやはやこの便利さを体感すると、やはりSCSIには戻れないことを確信してしまった。
「DTP-Sウィークリーマガジン 第37号(1999/10/26)」掲載



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