▼ CONTENTS
はじめにお読み下さい
プロフィール
ブロードキャスト
Gordian Knot
 (ペーパーマガジン)
ウィークリーマガジン
 (メールマガジン)
デジタル ビヘイビア
 (月刊PDFマガジン)
上高地仁の本
ダウンロード
リンク集
広告募集
DTP-S倶楽部
▼ DTP-S レビュー


<< レビュー案内に戻る

LinuxのDTPサーバはいかが
DTPで求められるサーバには、プリントサーバとファイルサーバがある。両方の機能を満たすサーバとしては、UNIXかAppleShare IPのサーバになるが、UNIXサーバは高価で、AppleShare IPサーバは誰でも使えるほど簡単ではない。そこでローコストで誰でもが簡単にサーバが管理できるサーバの登場が登場した。それがLinuxを使った「LD-S」サーバだ。

■DTPサーバにも種類がある
 DTPで使うサーバには、プリンタサーバとファイルサーバの二つがある。
 複数のマシンでプリントジョブをコントロールするためには、プリンタサーバを使う。プリンタサーバの一番大きな機能は、プリントするデータをスプールすることである。クライアントに替わって出力データを溜め込むわけである。
 それに付随して、スプールされたデータを停止したり、削除したり、あるいは入れ替えたりする機能が加わる。ついでに貼り込まれた低解像度の画像を高解像度の画像に差し換えるOPIの機能もプリンタサーバの役目である。
 もう一つはファイルサーバで、これは全てのデータを一元管理するサーバである。複数のマシンで作業をするとき、単一のハードディスクに全てのデータをおいておけば、データの管理が簡単になる。この場合は、ネットワーク経由でサーバのハードディスクのデータを開くことになる。基本的には、内蔵されたハードディスクと同じようなスピードでファイルサーバにアクセスできれば、ストレスなく使えることになる。
 ハイエンドで使うサーバの選択肢としては、三つほどが考えられる。

1 WindowsNTサーバを使う

 一般に多いのがこのWindowsNTサーバを使う方法で、WindowsNTはAppleTalkをサポートしているので、AppleTalk経由でデータを送りWindowsNT上のサーバアプリケーションでデータの管理を行なう。もっともWindowsNTを使うのは、ほとんどがイメージセッタなどのプリンタサーバとしてであることが多い。
 WindowsNTサーバをメリットはなんと言っても、ハードウェアのコストが安いことに尽きる。ただしサーバソフトは安いわけではない。
 またMacintoshを繋ぐときは、スループットは制限される。AppleTalkのネットワークでは実質的に1秒間に1.2MB程度が限界のようで、WindowsNTをサーバにしてもそれ以上のパフォーマンスを得ることは難しい。そのためMacintoshのファイルサーバとしては高いパフォーマンスは得られない。

2 UNIXサーバを使う
 パフォーマンスを優先する場合は、UNIXでサーバを構築する。UNIXはもともとネットワークのためのOSだから、プリントサーバにしてもファイルサーバなしても、安全で確実なネットワークを構築できる。100BaseのEthernetを二つ束ねて、ワイヤースピードを倍にするような荒技も可能で、ネットワークの構築では柔軟に対応できる。
 もちろんネックはコストである。UNIXのネットワークはハイパフォーマンスだが導入すると、コストは数百万円は下らない。規模によっては一桁上がることもあるだろう。DTP機器の償却を2〜3年で考えるとすると、よほど処理量が大きくないと高い買物になる。しかし大量のデータを常時処理しなければならないときは、UNIXサーバが最右翼になる。

3 AppleShare IPを使う

 AppleShare IPはAppleTalkを拡張したネットワークソフトで、サーバにAppleShare IP、クライアントにAppleShareクライアントがインストールされていればそのままでネットワークが構築できる。WindowsのSMB形式にも対応しているので、混在環境でのネットワークも問題ない。
 もちろんプリンタサーバとしても使えるが、ファイルサーバとして普及した面が大きい。AppleShare IPのパッケージは数万円から数十万円(接続するクライアントによって価格は変わる)と、Macintoshが一台あればよいので、サーバ本体にはそれほどコストはかからない。
 ファイルサーバとしては100base-TXの全二重で、TCP/IPのプロトコルを使用することで、サーバクライアント間のデータの読み書きは、単一のファイルを単一で接続したとき、1秒間に5MBから7MB程度のパフォーマンスがある。ただし古いマシンはそれなりにパフォーマンスは落ちるし、規模の大きいネットワークでパフォーマンスを優先すると、高性能なハブも必要になる(これはUNIXでも同じ)。
 Mac OS 9でもAppleTalkがTCP/IP対応になったが、AppleShare IPでは転送されたデータをそのままハードディスクに書き込むのではなく、一旦メモリ上に展開しているので、高速に処理が可能になる。従って搭載メモリが少ないと、パフォーマンスは下がる。

 それ以外にMac OS Xサーバという選択肢もあるが、いまはまだそれほど使われていないのでなんとも言えない。AppleShare IPと同等か、それよりもいくつかの点でパフォーマンスが抜きんでているかもしれない。
 実際には状況に応じて使い分ければいいので、ネットワークの規模や出力形態に合わせて、DTPサーバをチョイスすればよい。



<< レビュー案内に戻る