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▼ 標準 DTP出力講座 フォント攻略編 まえがき



まえがきその1 それはMacWorldEXPOではじまった


 「標準DTP出力講座」の続編とも言える「標準DTP出力講座 フォント攻略編」がやっと終わりました。いやいや、なんと長かったことか。
 今聞いているのは、11月19日に見本ができるということで、月末には予定どおりに書店に出回ると思います。今回のテーマは、これからのDTPの世界で生き残っていくための、たいへん重要な知識や技術について詳説しているので、是非お買い求めくださいね。けっして皆さんの期待を裏切りません(そのくらいの気持はあります)。

 前回の「標準DTP出力講座」は、1996年の12月に始まって翌年8月に全て終わりました。今回は今年の3月にゴーがでて、予定では同じように9月の末に発行されるはずだったのが、2ヵ月ばかり遅れて、11月になってしまいました。
 前回は、原稿を書くほうが思いのほかはかどって、というのは嘘で、締切が途中で大幅にずれたため、レイアウト作業は結構余裕があったような気がします。5月の半ばにレイアウト作業にかかり、8月末まで多少のインターバルはあったものの、予定を立ててそのとおりに進めることができたわけです。しかし今回は、レイアウトをはじめたのは9月の上旬で、しかもそのレイアウトは前回のものつかってダミーで作っていったもの。最終のフィックスしたQuarkXPressのレイアウトファイルが送られてきたのは、9月17日! それから作りかけていたレイアウトを作り直しになったわけです。
 もっとも一度作っていると、別のフォーマットに移し替えるのは簡単、な筈だったんですが、一度誤ってQuarkXPressのファイルを上書き保存してしまい、あわてて保存を止めようと、Macintoshを強制再起動したら、やっぱりQuarkXPressのファイルは潰れていました。みなさんファイル保存時の強制再起動はやめましょうね。
 まあなんとか、それにもめげず、2ヵ月程度で全てのレイアウトのオペレートを終わらせ、やっと一息つけた、というところです。
 10月に入って、4章以降のオペレートが進まず、10月の半ばに寺田さんから最終通告あり。「10月28日に印刷所に入稿します」と無情なメールがやってきました。もともと9月発売の予定が、ズルズルと私の怠慢で遅れているので、いやもおうもありません。「28日か、キビシイ〜」と思いながらも、おくびにも出さず、「大丈夫ですよ」と返信し、シコシコとそして黙々と、レイアウトしていましたね。原稿は書いていたし、ある程度は図版なども用意していましたが、実際組んでみて、足らない部分を補足したり、ページの調整も必要ですから、正直いって「キツかったなあ」というのが嘘偽らざるところです。
 だから先月の末に、ほんとはシーボルトに行っている暇はなかったんですけど、なんとかなるだろうと思っていきました。他にも用事があったことはあったんですが。もうあのときは、ほんとに「フォント攻略編」を最優先して生活していました。もちろん休みも全てQuarkXPressしていましたね。おかげで、QuarkXPressの扱いは、2階級くらい特進したと思います。

 今回のテーマは実は私の方から、寺田さんにオフォーしたものです。私がどうしてもフォントについて書きたいといって、企画を上げてもらったものです。
 最初に今年のMacWorldに行ったとき、翔泳社さんのブースにいったら、編集の寺田さんがチラシを配っていたんですね。翔泳社さんは毎年MacWorldEXPOに出展しているのですが、その日はたまたまブースの当番だったようで、会場にいたというわけです。
 そこで立ち話をしながら、「フォントの出力の本のニーズが絶対ありますよ」とかいって、強くしつこくしつこく私は寺田さんに話したわけです。最初はそれほど乗り気ではなかったようですが、私か「特徴のある本でないと、書店に溢れるアプリケーション攻略本の一つで埋もれてしまいますよ」なとどいっていると、多少はそうかも知れないと思ったようです。まあでもフォントの本はいくつかででいるけど、あまりたくさん売れたものはないということもあったので、「うーん」と考え込んでいるようでしたけどね。
 「とりあえず構成だけでも考えてみます」と、一方的に話を進め。私は日帰りで幕張を後にしたわけです。
 さて翌月にJAGATで「標準DTP出力講座」のセミナーで東京にいきました。当然翔泳社に寄って寺田さんに、「フォント出力の本」の目次を書いた構成案を渡したわけです。
 もちろん基本的なテーマは、プリンタフォントレスで出力すると言うことです。そのために知っておきたい知識やスキルをこの本のなかに全て詰め込みたいというのが、私の想いでした。
 だからMacintoshのOSの関するフォントの本にするのではなく、PostScriptからみたフォントの出力について、とことん極めてみたいと思っていたのです。
 とはいえ、最初はCIDフォントの構造の話があり、レイアウトソフトでの組版の仕方まで書いていたりするので、思ったより幅がでてしまいました。
 しかし、今のようにDTPに対する理解が深くなっている時に、一番ややこしいフォントの仕組みや構造をはっきりさせる本は、絶対必要だと私は思いますね。
 かなり長い時間をかけて、寺田さんを説得した後、取りあえず構成案を企画会議に提案してもらうことができました。次の会議は23日です、と寺田さんはいい、何とか今年中にはものにするぞ、と私は翔泳社を後にしたわけです。



このコンテンツは1998年11月27日に書かれたものです。


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