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■営業マンは宣教師たれ
前回は戦争の話しをしましたが、今回もちょっとばかり戦争に関することをテーマにします。というわけで、今回はランチェスターの営業戦略を取り上げてみましょう。
ランチェスターの法則は、もともと第一次大戦での戦闘をつぶさに調べ上げたランチェスターという人が見つけたもので、戦闘の勝敗にはある一定の法則があるというものです。きいてみれば「当たり前じゃん」と思うようなことですけどね。世の中で当たり前のことほど、わからないことはよくあります。だから、それをちゃんと検証したというのは、偉いことですな。
で、ランチェスターの営業戦略(もともとは販売戦略ですが)について整理するために、昔読んだ本を読み返していたのですが、なんと、営業マンマニュアルのルーツはキリスト教の普及マニュアルらしいですな。いやいや昔読んだはずですが、もうすっかり忘れていたようです。もっとも8年くらい前なので、当然かもしれませんな。
「なんで、キリスト教の布教と営業マンのマニュアルが同じなんだ」と思ったあなた、きっとあなたサラリーマン生活に疲れた人でしょう。新入社員時代の情熱を失ってしまったかわいそうな人かもね。
まあ、モノを売るというのは、やっぱりね、情熱が必要なんですな。買って欲しい、というメッセージを相手に強く伝えることが必要なわけです。印刷会社の場合は買って欲しいではなく、発注して欲しいということでしょうけどね。
でもね、情熱をもって売り込むには、自信をもって売り込めるようなものでなければ、売り込みませんよね。「これはすごい」とか「これを買っても絶対損はしませんよ」と思えるような商品であれば、錦の御旗を掲げて売り込みにいけますよね。
宗教は天上天下唯我独尊という立場で、「私は絶対正しい」という視点から「私の言うことに耳を傾けなさい。そうすれば、あなたにも福音があります」と言いますよね。そのくらい自分自身を信じていなければ、宗教の布教活動なんていうのはできないわけです。
それと同じように、営業マンも、自分が販売するものに絶大な自信が必要です。それでもって山をも動かす大いなる情熱をもって売り込めば、お客さんの心も動くに違いありません。
そんなこといっても、印刷会社で、自分の会社に自信を持っている人は少ないかもしれませんなぁ。まあ社長は「うちは一番」と思っているでしょうけどね。
普通の営業マンは、自分の会社の品質には自信がないことが多いでしょうな。いやいや管理職でもね、自信のない人は結構いるかも知れませんな。「仕上がりはたいしたことないし、ミスも多いし、へたに売り込んでも最後は営業に全部皺寄せがくるもんな」などと思っていると、アグレッシブな営業活動なんていうのはできませんな。
もちろん、そんなことで営業の達人にはなれませんけどね。
[下記のトピックに続く]
■攻撃力は兵力数に武器性能をかけたものだ
■全ては「兵力数」で勝利が決まる
■まず、勝てるところから勝つのが常道なのだ |
工学社/Professional-DTP誌 2001年3月号所収
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