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第12章 コンシューマビジネス始めますか、始めませんか
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■InDesign、使っていますか
「日本語DTPの本命」になるかどうかは知りませんが、InDesignがリリースされて数ヵ月が立ちましたね。これでQuarkXPress一本槍だったレイアウトソフトの勢力図は塗り替えられるのでしょうか。
まあ、そんなことはよくわかりませんが、「InDesignってどんなソフトだろう」というのは誰しもが気になるところでしょう。ちょっと触ってみたいと思いますよね。
いままでQuarkXPressで問題なくできていたものを、InDesignに切り換えることができるのかといっても、使ってみなければ判断できません。QuarkXPressで十分なものもあれば、InDesignの方がメリットが大きいものもあるでしょうな。
というわけで、私も「InDesignの実力やいかに」というわけで、使い始めています。なかなか最初は戸惑うところがあって、「QuarkXPressの方が早くできるのになぁ」とブツブツとつぶやきながら、ユーザーガイドやマニュアル本を見ながら、ひとつひとつ機能を覚えていっています。
私の場合はね、自分で本を書いて、それをプリンタで印刷して売っていたりするので、そういうの本の制作に、どんなレイアウトソフトを使っても構わないということがあります。だから、レイアウトソフトにこだわる必要はありません。
いまはInDesignの検証をしていて、それを本にしようと思っていたりするので、やはりね、その本はInDesignで組まなければならんでしょうな。実際に使っていかないとわからないこともたくさんありますからね。もちろん本文は小塚明朝で組みます。せっかくバンドルされているのだから、使わなくちゃね。
それで、どんな検証をしているのかというとですね、たとえば、InDesignにIllustrator EPSのファイルを貼り込んで、PDFとして書き出し、それをAcrobat
4.0でTouchUpするとどうなるのかというようなことを調べていますな。結論をいうと「TouchUpできない」わけですが、一応、Illustrator
EPSのバージョンごと書き出して、それをフォントフォーマットごとにどうなるのかといった違いを検証しています。
それ以外にもいろいろ検証していこうと思っています。主にInDesignとPDFの関係を中心に検証したいと思っていますね。というのは、InDesignが普及するとしたら、やっぱり、PDFのワークフローと一体となっていくことが非常におおきなファクターになるだろうと思うからです。
もちろんInDesignのメリットは他にもあるでしょう。強力にカスタマイズできる組版や仮想ボディで文字組みできるところもそうでしょうな。私なんかは、OpenTypeのPro書体で、字形パレットを開いた時の字形の多さには感心してしまいますな。異体字を揃えた漢字なんかよりも、記号類の充実さにももっと注目してほしいなぁ、と思いますね。数字なんかの異体字でも、丸で囲んだやつや四角で囲んだやつ、白抜きのものやピリオドや括弧がセットになったものなど、10種類ぐらいあったりしますからね。
そういういろんな文字を使ったとき、そのまま出力できるというのがInDesignのメリットだろうと、私は思っています。それで、そのまま出力するという部分は基本的にはPDFが核になっているわけですな。QuarkXPressは日本語を出力するとき、プリンタフォントがいるけど、InDesignはいらないというのが、InDesignのいちばん大きなメリットだろうと思うわけですな。
[下記のトピックに続く]
■両刀使いでAcrobatを売るAdobe
■印刷機の回し方も両刀使いでどうだ
■印刷会社もコンシューマビジネスはいかが |
工学社/Professional-DTP誌 2001年6月号所収
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