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■プリンタでできるDesktop Publishing
最近、カラープリンタを手にいれまして、それを使って本を作っています。私の持っているカラープリンタはカラーでもA4で1分間に21枚出力できるうえ、両面印刷の機能がついてます。オプションですけどね。
これが結構早いんですね。ですからそのまま印刷機代わりに使っています。A3ノビでA5サイズのデータを4ページ面付けして両面印刷すると、刷り本になるわけです。もっとも二百部程度が限界ですが、A3ノビで両面二百枚プリントアウトして30分位ですね。
表紙はオフセットで印刷して、無線綴じするとそれなりに本ができます。カラーは色目の再現性やトナーやドラムの費用を考えると、ちょっと厳しいところがありますけど、モノクロは「これがトナーか」と思うくらい綺麗にプリントできます。それで、そうして作った本を売って商売していたりします。
まあしかし考えてみると、昔からこんなことばかりしていましたね。学生の頃に私はSF研究会というサークルにいましたが、やっぱりね、そこでも本を作っていました。会員の誰かが書いた小説とか評論とかを編集して本にしていました。そのころはね、本といっても手書きの原稿ですよ。トレーシングぺーパーにロットリングで書いたものを青焼きしたり、軽オフセットで印刷したりしていました。
だから、いまプリンタで本を作っているのも、学生のころにやっていたことの延長ですわな。書いているテーマは違いますし、DTPになって全部自分でできてしまうというのが、大きな違いといえば違いです。もちろん仕上がりは雲泥の差がありますけどね。まあでも本質的には、道具が変わっただけ、といえなくもありませんな。
もともとDTPというのは、Desktop Publishingですから、もっとパーソナルにできるものだと思いますが、いかんせん、日本のDTPはDesktop
Prepressであって、Desktop Publishingではありませんな。私としては、今後よりパーソナルなものになっていくことを期待していますけどね。
それで、SF研究会の会誌をつくるとなると、やっぱりなんといっても先立つものがいるわけです。もちろん費用は頭割りして会員から集めるわけです。しかし、学生ですからね、いつもピイピイいっている連中にお金を出させるのは一筋縄ではいきません。
会誌の費用をそのまま集めるのは難しいので、飲み会があったときとか、合宿したときに、その費用を上乗せして徴収するわけですな。会誌の費用だったら出さない連中でも、飲み会や合宿の費用だったら、なんとか調達してきます。そこに多少上乗せしてあっても、とりあえず払うわけです。本当は、余ったら返すお金なんですが、それをそのまま会誌の発行代──つまり印刷代に振り当てるわけです。
そんなことをしていると、「この大阪商人め」とある同期の会員がいうわけです。テレビの時代劇にでてくる悪代官と結託した大店の商人のような「あこぎな奴」という意味でしょう。まあそりゃ、私は大阪生まれの大阪育ちですけどね。
[下記のトピックに続く]
■商売人は地元では飛躍できないのだ
■クワガタ虫ではなくカナブンを売る
■新しい技術にはリスクもあるが儲けもある |
工学社/Professional-DTP誌 2001年5月号所収
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