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営業とは何だろう、というのが、私がこの業界に入ったときからの疑問でした。もともと営業には向いていなかったのでしょう。だから、「どうすればいいのか」ということを考えていたのかもしれません。
いくつもの本を読み、自分なりのやり方で実践してみましたが、印刷会社の営業という立場では限界を感じました。
そしてはっきりしているのは、営業は「結果がすべて」ということです。いくら能書きを述べても、結果がでなければどうしようもありません。
では結果を出すためにはどうすればいいのか、というと、営業マンであってはいけないと気がつきました。営業マンではなく、「ビジネスマン」としての発想が必要だと思うのです。つまり自分で利益が生まれる「仕組み」をつくる必要があるのです。
仕組みの作り方はいろいろな方法があるでしょう。それは人それぞれだと思います。しかし、誰かが作った仕組みを真似して、あるいは、いわれるままに営業しても、やはり、すぐに壁にぶつかってしまうのではないでしょうか。
印刷の営業を続けるにしても、他社とは違ったアプローチが必要でしょう。そして、また印刷の技術を別のビジネスに展開していく発想も必要でしょう。
「新しい仕組みを創造して、マーケットを作る」そういう意気込みを持って、営業活動に取り組んでいけば、きっとその先には光が見えてくると私は思います。
「30%のコストダウンは難しくても、50%コストダウンは難しくない」といいます。いままでのやり方、いままで発想でできないものは、全く違ったアプローチをすることで、回答を見いだせることがあるのです。
印刷会社の営業マンであっても、これからはビジネスの仕組みを作らなければならない時代にきていると私は思います。そして、それは可能だと思います。そのための「デジタル化」ではありませんか。
本書では、私の体験も踏まえて、このデジタル時代に、営業が考えないといけないこと、知っておきたいことを述べてあります。
本書はProfessional DTP誌の2000年7月から連載している「印刷営業の達人」の最初の十二回分をまとめたものです。
最近筆の遅くなった私の面倒を根気強く見ていただいたProfessional DTP誌の西村希美さんに御礼申し上げるとともに、本書がみなさんのビジネスにお役にたてることを願ってやみません。
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