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▼ DTPで使うAcrobat 6.0 Professionalの新機能とは |
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■「Press Quality」が印刷用[Adobe PDF設定]の基準
Acrobat 6.0 ProfessionalのDistillerでは「Press」と「Print」がなくなり、「Press
Quality」と「High Quality」の二つが用意されています。まず、「Press Quality」の設定について見ていきましょう。
まず一般タブですが、これも[互換性のある形式]で「Acrobat 5.0(PDF 1.4)」が選択されています。DistillerでPDFを作成するときには、いったんPostScriptファイルに書き出したものから作成するので、IllustratorやInDesignの透明はDistillerが処理するときには分割されて統合化されているのです。ですから、「Acrobat
5.0(PDF 1.4)」で保存しても、透明が含まれることはありません。
もし印刷用にPDFを作成するのであれば、「Acrobat 4.0(PDF 1.3)」を指定してもかまわないわけですが、ここでは「Acrobat
5.0(PDF 1.4)」を指定することで、MS Wordから作成されたPDFをMS Wordに戻すことを考慮しているのだろうと考えられます。
「Acrobat 5.0(PDF 1.4)」で作成されたPDFであっても、Acrobat 6.0 Professionalから分版する場合は、PDFのバージョンは関係ありません。そのため、印刷用であっても、「Acrobat
5.0(PDF 1.4)」が指定されていると考えられます。それ以外の設定は、概ねAcrobat 5.0までの「Press」と同じようになっています。
画像タブは「Press」とほとんど同じで、フォントタブも日本語も欧文もサブセットで埋め込まれ、[埋め込めなかったときの処理]で「ジョブをキャンセル」するのも同じです。また、カラーでも同じように、[設定ファイル]は「なし」で[カラーマネージメントポリシー]も「カラー変更なし」になっています。
詳細設定タブにはいくつかDistiller 5.0にないものが追加されています。そのうち「Press Quality」でチェックされているのは、「可能な限りJPEG画像データを変換しない」というのと「PDFファイル内にAdobe
PDF設定を保存」という項目です。前者はすでにJPEG圧縮されたものは、圧縮しないようにすることと考えられ、後者はAdobe PDF設定の内容をPDF内に含めておけるようになっているようです。6.0のDistillerで作成した場合、[Adobe
PDF設定(ジョブオプション)]名をプリフライトでリストできますから、少なくとも[Adobe PDF設定]名は記載できるようです。
■「High Quality」と「Press Quality」はほとんど同じ
「High Quality」は「Press Quality」とほとんど同じです。あえて別の設定にする必要があるとは思えないほど、似通っています。
異なっているのは、一般タブで[ページの自動回転]で「ファイルごとに一括」となっているのと、フォントタブで[埋め込めなかったときの処理]で「警告した後続行する」となっていることくらいです。[埋め込めなかったときの処理]のみが、Distiller
5.0の「Print」を継承しているといえます。
印刷用で使う場合は、基本的にはこれでいいかもしれませんが、PDFファイルをそのままRIPのホットフォルダにいれて、inRIPで分版するのであれば、[互換性のある形式]で「Acrobat
4.0(PDF 1.3)」を選択しておいた方がいいでしょう。現在のPDFの入稿を考えると、「Acrobat 4.0(PDF 1.3)」で作成する方が確実かもしれません。 |
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