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▼ DTPで使うAcrobat 6.0 Professionalの新機能とは |
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■プロファイルを利用してプリフライトしてみる
Acrobatはいままで分版用出力ソフトではありませんでした。PDFの分版はRIP側で分版するか、InDesignに貼り込んで分版するかといった手法で行ってきました。6.0
Professionalでは、ダイレクトにPDFを分版処理するだけでなく、プリフライト機能も強化されています。
プリフライトは文書メニューの[プリフライト]で行います。[プリフライト]の「プロファイル」を選択し、[解析]すると、そのプロファイルの条件に合わせてPDFドキュメントをチェックします。
チェックしたものは、[プリフライト:結果]ダイアログに表示されます。ただし、このダイアログはプリフライトするだけでなく、PDFドキュメントの詳細な文書やオブジェクトの情報を表示するものなので、プリフライト結果で指摘される部分はわかりにくいかもしれません。
たとえば、「PDF/X-3準拠(4色+特色)」で検証すると、ページ上に「透明効果を使用」というチェックがリストされます。PDFにあるドロップシャドウは透明機能を利用しているので、「PDF/X-3準拠(4色+特色)」ではチェックされるのです。
「PDF/X」というのは、電子送稿の世界標準の規格(ISO15930)で、今後のデータ入稿の標準にするために規格化がすすんでいます。「PDF/X」では、CMYKモードのみで運用する「PDF/X-1a」と、カラーマネージメントにも対応しより広範囲な使用を考慮した「PDF/X-3」があります。
「PDF/X-3」での入稿では、透明を利用したドキュメントには対応していないので、プリフライトでチェックが現れるのです。この透明を利用したドキュメントでは、「PDF/X-3」のドキュメントにすることはできないことがわかります。
さらにPDFで[レポート]を書き出すと、Acrobatで開くとプリフライトでチェックされた部分をモニタで確認することができます。[検証]ボタンを押すと、文書に検証スタンプが付加されます。付加された検証スタンプは[プリフライト:プロファイル]の[検証]ボタンで確認することができます。
■プリフライト機能のカスタマイズ
プリフライト用のプロファイルはデフォルトでいくつか用意されていますが、実際にはデフォルトの[プロファイル]を利用するのではなく、プリフライト内容をカスタマイズして利用するべきです。「PDF/X」にしても、当面は日本の印刷業界では利用されるケースは少なく、プリフライト条件をカスタマイズして、オリジナルでプロファイルを作成して運用することになります。
Acrobat 6.0 Professionalのプリフライト機能は本格的なもので、かなり細かい設定でプリフライトが可能になっています。
まず、[プリフライト:プロファイル]の[編集]ボタンを押します。[プリフライト:プロファイルを編集]を開きます。プロファイルは、複数の「規則」から構成されていて、「規則」は複数の「条件」で成り立っています。
「PDF/X-3準拠(4色+特色)」でプリフライトしたとき、[プリフライト:結果]ダイアログでリストされた「透明効果を使用」は、「透明効果を使用」という規則にある「透明オブジェクト」条件にあたることになります。
Acrobat 6.0 Professionalのプリフライトでチェックする内容は、二十の条件グループに分類されています。条件グループは複数のプロパティに分類され、その中からプリフライトしたいものを選択します。
こうして必要な「条件」を「規則」化して、一つのプロファイルにまとめることで、オリジナルのプロファイルが作成できます。カラースペース、OPI、カラー、テキスト、ハーフトーンなどの条件を詳細に決めることが可能です。
たとえば、文書情報などでは調べられないドキュメントに添付されたICCプロファイルも、プリフライト機能で確認できます。プリフライトの「条件」のなかに「ICCベースのカラースペースを使用」という項目があり、その「条件」がプリフライトプロファイルに含まれていると、プリフライト機能で調べることができるのです。
PDFにICCプロファイルが含まれている場合、その「条件」を含んだプロファイルで[解析]すれば、プリフライト結果にリストされます。
また、「ICCベースのカラースペースを使用」条件だけのプリフライトプロファイルを作成すれば、ICCプロファイルの有無のみを調べることもできます。ドキュメントにプロファイルが含まれていると、「ICCプロファイルデータ」に中にある「プロファイルの説明」に埋め込まれているプロファイル名が表記されます。
ただし、このAcrobatのプリフライト機能を使いこなすには、当然ながら、必要とするチェック内容を把握しておかなければなりません。RIPからの出力の方法によってプリフライト条件は変わってくるからです。
なお、プリフライト条件とプリフライト結果の関係を理解するには、何度か使ってみないとわかりにくいかもしれません。利用したいプリフライト条件を使っていくなかで、その関係を理解していくしかないでしょう。 |
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