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その5 埋め込みフォントの出力
5―5 塗り足しを反映させてPDFを作るには
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■Distillerでは塗り足しは回復できない
現在のところ、裁ち落としになっているドキュメントを出力時にその塗り足しを回復させて出力することはできません。これはDistillerの仕様なので、Distillerがバージョンアップして、裁ち落としを回復できるようにならなければ無理のようです。
となると、一旦PDFになってしまったものは、1ページずつIllustrator 8.0で開いてマスクを解除するという方法しかありません。しかしこの方法は前述のように面倒で、文字の扱いにおいて制限があります。
完全に塗り足しを再現させて、フォントを埋め込んだPDFを作成するためには、Distillするまえに、塗り足しを含んだPostScriptファイルを作成するしか方法はありません。
つまり、塗り足し付きトンボ付きのPostScriptファイルを書き出して、それをDistillしてPDFにしてフォントを埋め込むのです。この方法であれば、PDFのサイズがドキュメントのサイズにはなりませんから、塗り足しを回復する必要がありません。
しかし当然ですが、この方法は既にPDF化されたものには適用できません。あくまで、PDFを埋め込むことによって、プリンタフォントの制限から解放されるための手段になります。
●IllustratorでトンボをつけたPDF |
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■ 面付けは面付けしてからPDFにする
面付けの必要があるものは、まず面付けを行ったPostScriptファイルを作成し、それをDistillerしてPDFを作ることになります。埋め込み許可されたCIDフォントか、TrueTypeフォントをポストエンベッドすることで、基本的には、埋め込み可能なフォントであれば、全てプリンタフォントレスで出力可能となります。
PDFのドキュメントサイズの最大幅は、45×45インチですから、B全程度のものであっても、面付けしてPDFにして出力することが可能です。
面付けされたPDFはファイルサイズが大きくなりますから、原則的にPDF1.3に対応したPostScript 3のRIPで出力するほうが間違いありません。 |
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