■TrueTypeフォント同士の差し換え
TrueTypeフォント同士の差し換えは、まず問題なく行なわれます。日本語TrueTypeフォントのエンコードは「90pv-RKSJ-H」になりますが、TrueType同士であればフォントを差し換えても、エンコードが変わりません。そのため、まず問題なく埋め込み字形を正しく変換できます。
外字も正しく変換されます。また横組みでの括弧や記号、拗促音などのシフト文字すらも正しく変換できます。
もちろん文字送りについては完全ではありませんが、TrueTypeでは文字送りが変わるのは欧文フォント部分というケースがほとんどなので、もっともフォントの差し換えに適したフォーマットといえるでしょう。
ただしTrueTypeを差し換えると、再度埋め込むことになるので、Acrobat 4.0に必要十分なメモリの割り当てをしなければなりません。
●TrueType同士で差し換えたPDF |
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※「DF POP1-W9」を同じTrueTypeフォントである「RFシリウス-E」に差し換えたところ。CIDでは変換できないIllustrator切り換え字体はTrueTypeでは存在しないので、ほぼ全ての字形が問題なく差し換えられている。
■TrueTypeからCIDへの差し換え
埋め込まれたTrueTypeフォントからCIDフォントへの差し換えは、どのようになるでしょうか。CIDに差し換えたときは、埋め込まれたCIDはポストエンベッドされた状態で、エンコードも「83pv-RKSJ-H」になりますから、同じ問題が発生します。
横組みでは問題となるのは、外字部分だけです。それ以外は、1行ずつであれば、フォントフォーマットの差し換えが可能です。
縦組みではやはり同じように、括弧や記号、拗促音などのシフト文字は、横組みのものが使われてしまいます。
●フォントを変更する前のPDF |
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●エンコードが変わるというアラート |
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●TrueTypeからCIDに変更した後のPDF |
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※埋め込まれたTrueTypeの「DF POP1-W9」からCIDの「ロダンCID-DB」に差し換えると、横組みでは外字のみが正しく変換されない。
●文書情報の[フォント]を開くと |
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※差し換えられた「ロダンCID-DB」のエンコードは「83pv-RKSJ-H」になっている。
●TouchUpツールで文字を修正する |
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※TouchUpツールで外字をコード入力し、文字を入れ替えると、埋め込みテキストを修正できる。
また余談ながら、どの埋め込みフォントでも、OCFフォントに差し換えることはできますが、置き換えると欧文の文字送りは変わってしまいます。当然ですが、OCFフォントは埋め込みできませんので、保存時に埋め込みがキャンセルされることになります。 |