■CIDフォントのポストエンベッド
埋め込み許可されたCIDフォントはDistillerでなくとも、Acrobat 4.0でも埋め込むことが可能です。この方法では、PDFWriterで作成したものでも、埋め込みできます。
これはTouchUpツールのテキストツールで文字を選択反転し、その状態のまま、ツールメニューから[TouchUp]で[テキストの属性]を選び、[埋め込み]のチェックボックスをクリックするものです。 |
●TouchUpツールのテキスト選択 |
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●[TouchUp]で[テキストの属性]で[埋め込み] |
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●エンコード方式のアラート |
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●埋め込まれたCIDフォント |
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●文書情報のフォントで埋め込みの確認 |
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※一箇所で埋め込めば、そのPDFドキュメント全てで同じフォントが埋め込まれる。ただし埋め込みは別名で保存したときに確定する。 |
この方法では、一旦Macintoshの文字コード「83pv-RKSKJ-H」になってから、埋め込むので、「エンコード方式が違います」というアラートがあらわれます。
Distillerで埋め込むと、CIDコードで埋め込むので、エンコードが「Identity-H」となりますが、同じMacintosh環境で作成したものを埋め込む場合は、埋め込みには問題がないと考えられます。
■正しく埋め込めないTrueTypeのポストエンベッド
この[テキストの属性]での埋め込みは、TrueTypeフォントでも埋め込み可能です。しかし普通に作成したPDFドキュメントでTrueTypeの埋め込みを行なうと、文字送りが変わってしまうことがあります。
これはTrueTypeフォントの文字幅情報が、別のフォントのものと置き換えられてしまうためです。基本的にAcrobatはTrueTypeフォントを完全にサポートしているわけではありません。表示メニューで[ローカルフォントを使用]を選択すると、TrueTypeフォントも正確に表示されますが、[ローカルフォントを使用]を外すと、欧文の部分が別の書体、別の文字送りに変わってしまうのです。つまりAcrobat
4.0にとって、TrueTypeの欧文フォント部分は、日本語のTrueTypeフォントとしては認識しておらず、別のものと差し替えて認識しているのです。
TrueTypeフォントを埋め込むときも、実はAcrobat内部の判断、つまり[ローカルフォントを使用]しない状態で埋め込まれることになります。
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●[ローカルフォントを使用]したとき |
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●[ローカルフォントを使用]しないとき |
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※上がTrueTypeを[ローカルフォントを使用]したときの表示で、下がしないときの表示。しないと欧文の文字送りが変わってしまう。 |
●埋め込んだ後のTrueTypeの表示 |
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※日本語のTrueTypeの埋め込んだあと、別名で保存しすると、[ローカルフォントを使用]してもしなくても欧文の文字送りは正確にはならない。 |
日本語TrueTypeフォントのポストエンベッドについては、欧文の字体や文字送りを変えずに埋め込む方法があります。これについては後述します。 |