▼ CONTENTS
はじめにお読み下さい
プロフィール
ブロードキャスト
Gordian Knot
 (ペーパーマガジン)
ウィークリーマガジン
 (メールマガジン)
デジタル ビヘイビア
 (月刊PDFマガジン)
上高地仁の本
ダウンロード
リンク集
広告募集
DTP-S倶楽部
▼ 標準 DTP出力講座 フォント攻略編 まえがき


<< 戻る

まえがきその4 組版は状況にあわせて組めばいい


 最初、文字組みのトピックは、フォントを出力する章の前振りで簡単に書こうと思っていたのですが、具体的に書いていくと、けっこういろいろ整理すべきことがでてきてしまいまして、結局一つの章として独立することになったのです。
 正直いって組版についてはね、わたしゃ、部外者です。多分もっと適任の人がいると思いますが、しかしどうでしょうかねぇ。専門家の方々は、結構こだわりがきつくてなかなか客観的に組版のあるかがままを伝えることが難しいように思うのです。
 その点私は、組版に関しては非常にクールに、冷めた気持で接することかできるので、「こうあるべきや」という思い込みを除外して説明してできるのではないかと思いました。
 世の中にはDTPの本はたくさんあるし、組版の本も結構あるけど、「こういうふうに組むんだ」ということが書かれているだけで、何故そのようなルールがあるのか、またレイアウトソフトではどこまでできるのかをキチンと説明した本はなかったと思います(私が知らないだけだったりしてね)。組版だけで一冊の本を作るのは難しいしね(作るのはそれほどではないと思いますが、売れるかどうかはちょっと難しいように思います)。
 お仕事で文字を組むとき、お客さんがどのように組みたいのかがわかっていればいいわけで、そのために、必要な組版の知識とはどのようなものだろうかという視点で、組版を考えてみました。それでいくつかの項目をピックアップし、それらについての考え方と、実際のレイアウトソフトでの指定設定の方法をできるだけ詳しく述べました。もちろんQuarkXPressとPageMaker、Illustratorの文字組みの設定の違いを並べて比較できるようにしています。Illustratorでも結構文字組みの機能はありますね。少しツライ時もありますけど。
 基本的には、組版と呼ばれいるものにはこんな「ルール」がある、けれどそれはまあ言わばオプションで、印刷物に合わせて必要なものを選択していけばいいのだと思っています。以前コラムで書いたように「組版ルール」はオプションだと思いますし、状況に合わせていろんな組み合わせができる知識のレイアウトソフトの使いこなしがけできていれば、普通DTPでは十分だと思います。非常にブラグマチックな考え方ですが、組版のハウスルールはなくならないし、それをなくして統一する必要はないと思います。縦組みの書籍と新聞の文字組みのルールが違うのは当然であって、ケースバイケースで対処すべきものですし、また各々が対処できるノウハウを身に付ければいいのではないでしょうか。
 それといまのレイアウトソフトのデフォルトの設定では、いままでの電算写植でできていた文字組みの一部が簡単にできないことはあります。手動で調整すればできなくはないけれど、設定一発ではできないというものはあります。
 しかしそこまで文字組みにこだわるのであれば、やっぱりね、SMI Edicolorを使ったり、QuarkXPressでは「組み上手」などのXTensionを組み込んだりすれば、いままで求められていた文字組みはけほとんどできるわけで、それをデフォルトでできないという議論は間違っていると思います。もちろん私も、デフォルトの機能で全てできればこれに越したことはないと思いますが、その手段がまったく提供されていないわけではないので、「是非高度な組版が必要だ」という方は、それなりのプロフェッショナルな機能をもったソフトを使うべきでしょう。
 ただね。実際には大半の印刷物の文字組みは、QuarkXPressやPageMakerのデフォルトでほぼ十分なわけであって、今の機能が及第点ではないということはないと思います。もちろん私としてもソフトベンダーさんには、もっともっと競争してもらっていいものを作って欲しいと思いますがね。



このコンテンツは1998年12月4日に書かれたものです。

<< 戻る

<< 書籍の案内に戻る