InDesignは、PDFの扱いにおいてはたいへん優れた機能を持っています。PDFの書き出しのみならず、PDFの貼り込みにおいてもPDFのもつ属性にあわせて貼り込むことができます。また、印刷用に高解像度で出力するばかりか、リンクやしおりを含めてブラウズ用のPDFも簡単に作成できます。このセミナーでは、InDesign 2.0をマルチユースしたPDFの作成方法を解説します。 |
講 師 | : | 上高地 仁 |
時 間 | : | 2時間 |
主な内容 | : |
第一部 印刷用PDFを作成する InDesign 2.0での出力は、そのまま出力するより、PDFにした方が確実に出力できます。というより、ページレイアウトしたドキュメントはInDesignの機能では面付けできませんから、InDesignからPDFに書き出すか、PostScriptファイルに書き出して面付けする必要があります。 InDesignにはPDFをそのまま貼り込むことができますので、InDesign以外のPDFでも貼り込んで出力することも可能です。ただしPDFのリンク方法にはいくつかの違いがあり、その使いわけが必要になります。PDFを正しく貼り込めば、InDesign上でPDFで面付けや丁付けすることも可能です。 また、InDesign 2.0はICCプロファイルを利用したカラーマネージメントが可能になりましたが、残念ながら貼り込みファイルについてはすべて対応しているわけではありません。カラーマネージメントするには、PDFで保存してAcrobatからの出力します。 InDesignでのPDFの扱いは、ドキュメントからPDFを書き出すという使い方と作成されたPDFを貼り込んで出力するという二つの点があります。ここでは、印刷用のPDFを念頭に置いたInDesign 2.0でのPDFの扱いを考えます。 ◆InDesign 2.0でのPDF保存 InDesign 2.0でのPDFの作成の基本を解説します。[データ書き出し]で行なうPDF作成の違いについて説明します。 ◆InDesign 2.0に貼り込むPDF InDesign 2.0にPDFを貼り込んだときの出力についての利点と問題点を整理します。InDesign 2.0にPDFを貼り込むことで可能になる面付けや丁付けの方法を解説します。 ◆InDesignに貼り込んだPDFの出力 InDesign 2.0で可能なアプリケーションレベルのPDFについて、その方法を解説して可能な部分と不可能な部分を整理します。また、確実にカラーマネージメント出力する方法についても提示します。 ◆PDF化してのマネージメント出力 最後はアプリケーションからのカラープリンタでのカラーマッチングの仕組みを解説します。オフセット印刷と同じ色合いでカラープリンタから出力するために必要なものは何か。そしてそのためのアプリケーション側での設定はどうするのかということを解説します。これで、カラープリンタから、オフセット印刷をシュミレーションして出力することが可能になります。 第二部 ブラウズPDFを作成する ページレイアウトソフトで作成したドキュメントは、いままではPostScriptファイルに書き出して印刷するために作成されました。しかし、PDFの普及とともに、ドキュメントのPDFでの納品も増えてきています。 PDFを作成するのはそれほど難しくありません。どのようなアプリケーションでもAcrobat Distillerがあれば可能です。しかし、モニタでブラウズするPDFはドキュメントからPDFを作成するだけでは十分ではありません。PDFにしおりを付けたり、リンクを作成したりする必要があります。 いままでは、それらの作業をAcrobatで開いて、手動操作でしおりやリンクを付けていくしかありませんでした。しかし、この方法では手間がかかるばかりか、再度PDFを作成したときもう一度しおりやリンクを付け直す必要があります。 InDesign 2.0では、ドキュメント上で設定したハイパーリンクによって、リンクをPDFにそのまま反映できる他、目次機能で作成した目次からはしおりとリンクも自動生成できます。ここでは、リンクとしおりを含んだPDFの実際の作成方法と運用上の注意点を解説します。 ◆手動で作成するハイパーリンク InDesign 2.0のハイパーリンク機能を使って、一つ一つリンクを貼っていく方法を解説します。ハイパーリンク設定をしたInDesign 2.0のドキュメントからPDFを書き出すと、PDFにハイパーリンクが反映されます。 ◆自動生成する目次としおり InDesign 2.0の目次機能を利用すると、目次の自動生成が可能になり、しおりとリンクがPDFに反映されます。この機能を使えば、Acrobatでしおりを作成する必要はありません。そのときの注意点を整理します。 ◆索引から作るハイパーリンク InDesignでは索引機能で索引を自動的に作成できます。その使い方と、PDFへの反映について解説します。 ◆ブック機能を利用したときのハイパーリンク ブック機能を利用してハイパーリンクや目次機能を使ったときの注意点を整理します。ブック機能を使っても、同じようにPDFにリンクやしおりを反映できます。 ◆ブラウズPDF用の保存 AcrobatでブラウジングするためのPDFと、印刷用のPDFの使い分けについて解説します。一つのInDesign 2.0のドキュメントで、印刷用とブラウジング用を使い分けできます。 |