新機能の中で、実用的かどうかを簡単に判断できれば、バージョンアップして使う価値があるかどうか、あるいはAcrobatの最新機能を活用するかどうかを確認することができると思うのです。そのために、本書を書きました。ですから、単に新機能の解説だけではなく、その新機能が搭載された背景についても知る限り掲載することにしました。過去のバージョンとの違いを踏まえた上で、新しい機能の意味をより理解していただくためです。
手軽にAcrobat 9 Proの新機能を先に知るための本が『バージョンアップの裏側を覗くAcrobat 9 Pro新機能の真実』なのです。なにしろ、Acrobatに詰め込まれた機能すべてを理解するのは簡単ではありません。必要な機能、役に立つ機能をすばやくチョイスして使うためには、わかりやすいガイドブックは必要だと思うのです。本書はそのために、私、上高地仁が書き上げました。
Acrobat 8 Proをお持ちであり印刷工程ツールなどの機能をお使いであれば、是非Acrobat 9 Proにバージョンアップしてお使い下さい。少なくとも不安定な[出力プレビュー]からは解放されます。
現在、Acrobat 9 Proを使用していなければ、Acrobat 9 Proの新機能である
PDFポートフォリオ
FLASH形式での動画の埋め込み
セキュリティでのAES-256bit対応
Acrobat.com(アクロバット・ドッド・コム)
などについて知る必要はありません。Acrobat 9 Proを使いたいと考えているのであれば、インストールする前であっても、Acrobat 9 Proの新機能とその使い方を知っておくと、機能の使い方を覚える時間をショートカットすることができます。
本書はPDF版として先行リリースしたものに番外コラムとして
Adobe PDF Print Engineビジネスモデルの秘密
フィックスアップでPDF内のカラーを特色に変換
を追加したものです。
「Adobe PDF Print Engineビジネスモデルの秘密」は透明に対応したAdobe PDF Print Engineが、印刷用の出力RIPの機能にとどまらず、オンデマンドプリントからビジネスプリンタをターゲットにしていることを考察したものです。
「フィックスアップでPDF内のカラーを特色に変換」はAcrobat 9 Proのフィックスアップ機能で、かけ合わせのCMYKやRGBを指定すると特色に変換できるフィックスアップの機能を解説したものです。特色に変換できれば、別のカラーに差し替えることも簡単です。Wordのカラーパレットで指定したカラーでも、PDFにすれば、このフィックスアップ機能で、シアンのベタやマゼンタのベタなどに置き換えることが可能になります。その方法を紹介しています。
■この書籍で判断できるAcrobat 9 Proの新機能です。
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