ただしネックがあります。PDF作成機能はアプリケーションに依存するということです。アプリケーションが異なったり、バージョンが違うと、PDFの作成方法も異なるのです。同じIllustratorのドキュメントでも、さまざまな方法でPDFを作成することができます。
IllustratorでそのままPDF保存する方法
PostScriptファイルを書き出してDistillerで変換する方法
EPS保存してInDesignに貼り込んでInDesignからPDF書き出しする方法
などです。これらは全く同じPDFになるのかというと、必ずしもそうではありません。それぞれ違ったものになります。
Illustrator CSとCS2に発生する貼り込まれたEPS画像をPDF保存したときに発生する水平線は、Illustratorから保存したときは発生しますが、Distillerで作成したり、InDesignに貼り込んでPDFにすると発生しません。
ただし、InDesignにIllustrator形式やPDFで貼り込むと、画像に水平線が現れます。PDFも作成方法を使い分けることでトラブルを回避することが可能です(なお本書では、Illustrator CS/CSに水平線については、プリフライトで調べる方法を紹介しています)。
こうしたPDFのアプリケーションに依存する部分や、Acrobatで編集・加工したときに知っておきたいTipsをまとめたものが本書『ピンチを救う Acrobat 8 Proサクサク出力のツボ』です。
もともと『ピンチを救う Acrobat 8 Proサクサク出力のコツ』の副読本として書き始めたものです。『ピンチを救う Acrobat 8 Proサクサク出力のコツ』のなかでは紹介しきれなかったノウハウやトピック、また、ユーザーの方やセミナー参加者の方の質問などを踏まえて、Acrobat 8 ProでPDFをハンドリングするときに、より踏み込んだ内容を紹介しています。
『ピンチを救う Acrobat 8 Proサクサク出力のコツ』のユーザーの方のサポートにために書いたものですが、ここに書かれているノウハウを是非知りたいという方のために、『ピンチを救う Acrobat 8 Proサクサク出力のツボ』だけでもお申込いだたけるようにしました。
それでもこの本はA5サイズで96ページしかありません。値段も廉価とはいえません。しかし、DTPデザイナーやDTPオペレータの方で、PDF出力しているのであれば、印刷ミスに繋がるトラブルを減らすことができるのではないでしょうか。
知っておけばPDFの書き出しや作成、Acrobatで変換などで失敗することなくPDFを扱うことができます。そういうトピックや裏技が、13個も詰め込まれています。本書をお読みになって、DTPデザイナーやDTPオペレータの方が印刷ミスを事前に防ぐことができれば、決して高い値段ではありません。
■このテキストで知るAcrobat 8 ProでのPDFの変換と編集の秘密とは
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