ドキュメントをカラーで作成していても、実際印刷するときはグレースケールで行うことはよくあります。印刷するメディアが異なっていて、片やカラーで印刷して、もう片方はグレースケールというケースは珍しくありません。
レイアウトソフトはカラー指定が基本です。グレースケール印刷なのに誤ってカラー指定をしてしまうこともよくあります。残念ながら現在のレイアウトには強制的にグレースケールでのみレイアウトを作成する機能はありません。
カラーで作成していてグレースケールに変換する場合、たいていは変換してみないと実際のグレースケールの濃度はわかりません。変換の方法もいろいろあって、Illustratorで変換する場合と、Acrobatでグレースケール変換する場合では、カラー値は同じであってもグレースケール値は異なります。Acrobatでプロファイルを割り当てて変換する場合は、割り当てるプロファイルによってもグレースケール値は異なります。
グレースケールに変換するときに困ったことがいくつかあります。
変換したグレースケール値が同じカラー
カラーとグレースケールでノセとヌキの見え方
などは実際にグレースケールに変換してみないとわからないからです。たとえば、イエロー100%、シアン33%、マゼンタ16%はIllustratorで強制的にグレースケール変換してみます。3つの色はほぼ同じグレースケール値になってしまうのです。かけ合わせカラーであっても、グレースケールに変換するとカラーの違いが濃度の違いに反映されないこともあります。
また、ベタの上に文字を載せたりする場合も注意したいものです。カラーで確認しているときは、ノセの方がインパクトがあるのに、グレースケールにするとヌキにした方がいい場合もあります。これも変換してみないとノセとヌキとどちらが効果的なのかはわかりません。
グレースケールに変換して使う場合、もっとも便利な方法は、モニタでグレースケールをシミュレーションできればいいということです。[校正設定]でグレースケールのプロファイルを選択できればいいのです。しかし、[校正設定]でリストされるのはCMYKプロファイルだけです。グレースケールのプロファイルはリストされません。
モニタでグレースケールをシミュレーションする方法はないのでしょうか。手軽にモニタ表示をグレースケールでシミュレーションできれば、グレースケール化したときのカラー値の濃度やノセやヌキを簡単に確認できることになります。ある方法を使えば、Adobe Color Engineに対応しているアプリケーションであれば、カラードキュメントをグレースケールをシミュレーションする方法あります。この方法を使えば、グレースケールで印刷するドキュメントをモニタでグレースケールシミュレーションして、濃度チェックが可能になります。是非、ご活用下さい。
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